その後その2 ページ38
シルク「...お前が倒れた後な、救急車呼んだ。血がより出てきちゃうから来るまで黙っとけって言った。なのに、それでも喋り続けた。
...腹に刃が完全に埋まっててな、柄しか見えてなかった。ナイフを抜かないようにして、血を少しでも抑えようとしたけど傷が深すぎてダメだった。
救急車が来た時には意識はもうなくなってて、お前と一緒に救急車で運ばれた。俺が乗り込んで付いてった。
...病院に運ばれて、先生たちが何人も集中治療室で何時間もかけて治療してくれた。
だけど...」
シルクはそこまで言うと、暗い顔で俯いてしまった。
私は、それが最悪の結果になってしまったことを示していると直感的に悟った。
でも、私にそれを認めることは出来なかった。
『え、シルクそういう嘘良くないよ?真実が死ぬわけないじゃん。あんなに優しく笑ってくれたのにさ』
脳裏に、最後に笑った真実の顔が浮かび上がる。
そうだ、そんなわけない。真実は生きてる。シルクたちの悪い冗談だ。
シルク「嘘じゃない...出血多量だって...昨日の夜中...」
『嘘だっ!!』
聞きたくなかった。
違うと信じていたかった。
私はシルクに向かって怒鳴ると、ふらふらと病室を出た。
後ろからシルクたちの声が聞こえたけど、もうそれどころではなかった。
真実は、
真実はどこ?
順番に病室の前のネームプレートを見ていく。
いない。
いない。
ここにもいない。
この階にも。
この棟にも。
来たことのない大きな病院だったが、その数ある病室のどこにも真実のネームプレートはなかった。
どこか見落としてる?
抜けたところがある?
生きているかどうかなんて、心の奥底では気付いてた。
だから、ここに辿り着いた。
目の前には、霊安室。
居てほしくない。
居るわけがない。
そう祈った。
その祈りが届かないことなんてとうに分かっていたのに。
ゆっくりと扉を開けると、鼻腔をくすぐる優しいお線香の香りがした。
次に、顔に白い布がかけられた遺体が横たわっているのが目に入った。
それが誰かなんて、確認しなくとも分かった。
よろよろと1歩ずつ遺体に近付いていく。
そして、そっと布を捲った。
『ぅあ...ぁあああ...』
真実だった。
安らかに眠るように、そこに落ち着いていた。
私は、その場に泣き崩れた。
ーーー
やっとそろそろ終わりますね。
もうしばしお付き合い下さいませ。
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チョコザイ(プロフ) - おもしろい (2018年7月28日 16時) (レス) id: 613124173f (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - よつ葉@YouTube命。さん» おう!考えて考えて((┌|o^▽^o|┘))♪ (2018年5月8日 1時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)
よつ葉@YouTube命。(プロフ) - Alice:Aさん» 了解!考えるねヽ(・∀・) (2018年5月7日 15時) (レス) id: 99a9981eb6 (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - よつ葉@YouTube命。さん» 楽しみにしてて!願わくばリクエストををを!!(図太い) (2018年5月6日 22時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)
Alice:A(プロフ) - りんごおさん» 見てくれるだけで充分だよー!4章楽しみにしてて! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 0101dbf24c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice:A | 作成日時:2018年2月7日 22時