お前ら日常コントの神か【Fischer's】 (ページ27)

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事件と過去～回想～その3 ページ27

で、皆ここまでで何となく分かったと思う。

シルクたちと同じ小学校だったのは私じゃない、真実だって。

だから前に皆との出会いの話したよね？その時ザカちゃんが言ってたじゃん？

「静かで大人しい感じ

今とは正反対みたいな...」

って。

そりゃそうだよ、だって小学生の時に皆が「私」だと認識してたのは「真実」なんだから。

私たちは正反対の性格してたから、どうしてもそういう印象になっちゃうんだよね。

あ、でもアルバムに写ってるのは私ね。

将来があるのは私の方だってことで宿泊学習とかの行事には参加してたし、集合写真撮るって時も小学校から事前に日にち言われてたからその日だけ行ったりして。

...気づかなかった？

仕方ないよ。見た目ほぼ一緒だし、学校でのことは真実からよく聞いてたからどういう態度でいればいいのかも幼心に理解して演技してたから。

私がある程度元気になってちゃんと学校に行けるようになったのは中2から。何回も手術してね、13歳でそれなりに治った。

真実は10歳までって言われてたけど、私のために13歳まで頑張ってくれた。

...それがいけなかったのかな。

真実は少し無理してたみたいでそのまま入院した。

戸籍なんかないから腕は確かだっていう闇医者にかかってたけど、日本じゃ限界があるってことで私が高校にあがると同時に両親とアメリカに飛び立っていった。

もちろん、パスポートも金の力でなんとかしたみたい。

お父さんは残るって言ってくれたんだけどね、真実は少し精神的にやられてたみたいでさ。

お母さんだけじゃ無理があったんだって。

そして、今から3年前。

私が20歳の時にアメリカから手紙が届いた。差出人はお母さん。

そこにはこう書いてあった。

《優しくて可愛らしかった真実はもういなくなってしまった。私はどうしたらいいか分からないわ。お父さんは「前を向こう、俺たちに出来ることをしよう」と言うけれど、こうなってしまってはもう出来ることなんてないわ》

死んだとは一言も書いてなかったけど、内容から、真実は死んだんだなと悟った。

今？

私おじいちゃん嫌いだから高校あがってからは1回も会ってないよ。

金なんて乞うつもりも、借りるつもりもない。

高校生の時に割とお金稼いだからね。アルバイト3つとか掛け持ちしたよ。

あとはアメリカからお父さんたちが今もたまに仕送りしてくれるから、それで上手くやってる。