超口が悪くてツンデレでモトキが好きなシルクの妹はみんなから愛されています。2【Fischer's】

そんなバカな現象 ページ2

自分の気持ちに気付いて、早30分。


『そんなバカな...』


この台詞ももう17回目。

まさかこの私が、「好きの定義って何？」とか考えてた私が、


...誰かに恋心を抱くなんて。



いや、正直に言えば今も恋の基準や好きの定義などの哲学的疑問はまっっったく解決していない。


しかし、現状はどうだ。

本能的に頭が「好き」って概念受け入れちゃってるじゃねーか。何だこれ不可解すぎる。




『そんなバカな...』


18回目の「そんなバカな」が口から漏れる。

頭が混乱して訳が分からない。


『はぁー...とりあえず一旦落ち着くか...』


私は大きくため息をつくと、気持ちを落ち着けるため水でも飲もうとキッチンに向かった。




＊




『...っふぅ...』


水を一気に飲み干し、一息つく。


なんか少し頭がすっきりした気がする。



ｶﾞﾁｬ



シ「ただいま〜撮影終わったよ...って何その顔」


びっくりした...。
力が抜けきったところに急に入ってくんだもん、そりゃびっくりするわ。


『別に何でもねぇけど』

シ「...嘘だな。なんか隠してる」


咄嗟に誤魔化したつもりだったが、一瞬で見抜かれた。

こいつのシスコンスキル高すぎじゃね？顔見ただけでそんなに分かんの？


『と、とにかく何でもねぇから。ほっといてくれ、んじゃ』

シ「あ、おま、ちょ待て！」


下の兄の制止を振り切り、部屋に戻る。

そのまま勢いでイヤホンをつけ、YouTubeを開く。


『え、SEIKINさん兄弟で遊園地貸切とかゴージャス...』


適当に一番上にきた動画を流す。



が。


『...だめだ、どうしても関連動画に目がいく...』


関連動画には、私たちFischer'sの上げたものがいくつも並んでいる。

そのどのサムネにも映っている、



私の好きな人。




それを見て、あぁ大分前から無意識に見てたんだなぁと実感する。







いつから？

いつからだろう。



知らなかった。

いや、分かってた。



どうすんの？

...どうしよう。





同時に湧き上がる、不安と戸惑い。



未来の私はどうするんだろう。この感情を伝えるんだろうか。

少なくとも、気持ちを自覚したばっかりの今の私にはまだ早い。




今はまだ、このままでいい。


だから、画面の中の笑顔に呟く。






『もっきゅん

















＿＿＿＿好き』









それを、扉の隙間から聞いてる奴がいるとも知らずに。



ーーー
人って恋すると性格まで変わるんでしょうか？

主人公こんなんじゃなかった気がする。

お兄ちゃんマジびっくりだよ→←主人公設定！

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