「犯人は僕です」

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「瑞稀」
「なんだよ橋本」

「何でもない」
「なら呼ばないでもらえる？」









最近、明らかにいつもの一億倍は機嫌が悪い瑞稀。









かつて親友だった俺にすら冷たい。









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「今2階で浮所と藤井が話してたよ」
「俺には関係ないけど？」









腕時計を確認するともう15時。
部活の時間に切り替わるから、あたりは少し騒がしかった。









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「なんで言わないの？」









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日誌にペンを走らせる瑞稀を見ていると、
どうして藤井と浮所を怒りに行かないのかが気になる。









浮気を促すようなメールが来てたことはもうかなり出回った話で、瑞稀くんファンクラブの女子までも犯人を探し始めていた。









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メールが送られてきたあの時、
浮所は瑞稀と一緒だった。


2人は学校の教室にいたけど、
時間設定をすれば浮所だってメールを送れる。









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でも、もしあの時同じ階に他の誰かがいたとしたら









浮所と組めば、瑞稀にメールの内容をチェックするように勧められる。









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それにあの時パソコン室から見えた人影がメールの送り主だとしたら









犯人は、絞られる。









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「俺、お前宛てにメールが届いた時はパソコン室の隣にある多目的ホールにいたんだ」

「だからなに」









「送ってきた奴の顔、わかるよ」









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日誌から顔を上げた瑞稀がこちらを見た。

多分、いや絶対、今日初めて目を合わせた。









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でも、タタじゃ教えられない。

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