「犯人は僕です」

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『バブちゃんだ』
「赤ちゃんじゃねーし！」









冗談だよ、と俺の肩を叩いて笑う。









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中学三年生の頃、近所に住んでた
Aちゃんは僕とは違う学校に通ってて









「なんで髪の毛ふわふわなの？」
『うきしょくんと放課後デートだから！』









彼女には、恋人がいた。









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うきしょくん、ってずっと呼んでたから
あだ名かなんかかと思ってたけど


今年のクラス替えでうちのクラスに
”浮所”って苗字の人がいるって知って。









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『…あ、バブちゃんだ』
「なんか元気ないね」









中学を卒業する目前に、
その”うきしょくん”とは別れたらしく


華のJKとやらになっても、彼女は
鬱になったように沈んでいた。









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『瑞稀おはよ』
「おはよ。あ、龍我じゃん」









春の風が通り過ぎたと思った頃には
新しい好きな人が出来たみたいで。









バブちゃんいじりもなくなって。
瑞稀は俺に、一緒に登校する？なんて嫌味。









瑞稀と付き合い始めて、彼女はまた変わった。









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彼女はこう見えても可愛い方。









高校でも告白されたって話はよく聞いてたし、
その中の全員振られたって話は有名。









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なのに、なんで瑞稀と？









疑問だった。

嫉妬とか妬みとかじゃなくて、心配。









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明るい浮所と、クールな瑞稀。
遅刻のプロと、10分前行動厳守派。
ポジティブと、ネガティブ。









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いくらなんでも2人は正反対すぎる。









決して交われない性格だ。

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