154 ページ8
.
とにかく行かなきゃ。
下に降りるて、運良くすぐにタクシーを拾うことができた。
『〇〇広告までお願いします』
…「はい」
カバンの中のポーチから鏡を取り出して自分の顔を確認する。
『…ひどい顔』
…「はい？」
『あっ、いえ…なんでもないです』
軽くメイクを直して、コンタクトを外して眼鏡をかける。
…よかった、持ってきておいて。
まだ心臓がバクバクしてる。
はぁぁぁぁぁぁ…
どんな顔して会えばいい？
はぁぁぁぁぁぁ…ため息しか出ない。
私、まだ部長のこと好きだったんだ…
櫻井さんとの距離が縮まる度に、忘れられてる、櫻井さんと向き合えてるって思ってたのに。
部長が結婚…
そのことでこんなに動揺するなんて…
車内に鳴り響く、着信を知らせる音に体がビクッとなる。
『す、すいません』
…「でて大丈夫ですよ」
『ありがとうございます。…もしもし？』
電話の相手は櫻井さんで。
S「あ、荻原？」
耳元で低く響くその声に、気持ちがすごく落ち着いた気がした。
『はい』
そして泣きそうになる私。
S「今どこ？」
『大野部長に、デザインを、届けるところです』
涙が出そうで声が震える…
そのことに気づいた様子の櫻井さんの声が変わった。
S「どうした？なにかあった？」
仕事モードの時じゃない、私を気遣うような優しい声。
その声に、さらに泣きそうになって…声が出なかった。
S「A？大丈夫か？」
『……っはい。』
S「そっか……。戻ってきたら甘いの食わせてやるから。早く戻って来い」
『…っはい。』
櫻井さん……
その優しさに甘えてしまいそうです…
そう言ったら、あなたは、なんて答えてくれますか…？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haruno(プロフ) - ユカリさん» コメントありがとうございます！私も書いていてスッキリした回でした（笑）思わぬところで智の地雷を踏んでしまった主人公でしたが…今後も楽しみに♪よろしくお願いします(´∀｀*) (2018年6月13日 11時) (
レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます！燃え続けて頂けるよう、今後も頑張ります(´∀｀*) (2018年6月13日 11時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
ユカリ(プロフ) - Harunoさんはじめまして。前からとても楽しく読ませて頂いています。私は智担なのですが、部長とくっついて欲しいなぁ、ってずーっと思ってましたが、なんか今回の読んでスッキリしました。なぜだろ笑。主人公ちゃんがどー出るのか今後も楽しみにしています。 (2018年6月4日 13時) (レス) id: 2ef62dda40 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Haruno様 おはようございます。コメントですが、ありがとうございます。Haruno様にそう仰って頂けて嬉しいです♪凄く萌えてますよ、、こちらこそよろしくお願いします (2018年5月30日 11時) (レス) id: 5c6683ff73 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - けいさん» こんにちは！コメント有難うございます(*´∀｀*)やっと、先へ進みそうな予感です(^^)翔さんに傾きつつあった気持ちや翔さんの今後の動きなど…注目して頂けたら幸いです！引き続きよろしくお願いします(*´∀｀*) (2018年5月29日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2018年5月8日 2時
