190 ページ44
.
Ｏ「コレ、お見舞い」
『ありがとうございます…』
受け取った袋の中には、ゼリーとかスポーツドリンクとかが入っていた。
それらを冷蔵庫に入れて、ココアを2つ準備してリビングに戻ると、部長は所在なさげに立っていた。
『コーヒー切らしてて。ココアしかなかったんですけど…よかったらどうぞ』
Ｏ「あんがと。…寝てた？」
チラッと目が動いた部長の視線を辿ると…ぐちゃぐちゃの寝起き丸出しのベッドが。
もう、いや。
なんで扉閉めなかったの、私。
『あ、いや…えっと……ちょうど起きたところでした』
Ｏ「そっか…具合悪いのほんとだったんだ…」
『えっ？』
Ｏ「起こしてごめん」
『大丈夫です…。私こそ、仕事休んでしまってすみません』
Ｏ「それは気にせんで。ココアいただきます」
『はい』
猫舌の部長に合わせて少し冷ましたんだけど、それでもやっぱり熱いみたいで。
口を尖らせて、フーフーする部長。
Ｏ「熱は？下がった？」
まだ飲めないと判断したのか、部長はカップ置いてそう聞いてきた。
『…はい。もう大丈夫です』
Ｏ「そっか。よかった」
そう言ってふにゃんって笑った部長に。
嘘です。
仮病です。
熱なんか元々ありません。
ゴメンなさい…
心の中で謝って、私もココアを一口飲んだ。
何しに来たんだろう…
ほんとにただのお見舞い？
そう思っちゃうくらい部長は何も話さないから。
私も着信やラインを無視した気まずさも手伝って、何も話せなくて。
……ただ静かに時間が過ぎる。
そんな静かな空間に突然鳴り響く着信音。
私のスマホの音なんだけど…
どこ置いたっけ？
あれ？と思いながらスマホを探していると、「はい」と渡されるそれ。
着信画面には“櫻井さん”の文字。
見た？
見たよね…
別に見られたからって気にする必要はないんだけど。
なんか、ね…
『あ、ありがとうございます…』
スマホを受け取ったんだけど、何故か離されないその手。
そして部長の目は私を捉えて離さない。
『えっと……部長？あの、手を…』
Ｏ「やだ」
『えっ？』
なんで？なにがやだ？
『えっと……』
どうしよう。
困ったって顔で部長を見つめ返すと、ふふっと笑った部長は「うそ。でていーよ」って、スマホからすんなり手を離した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Haruno(プロフ) - ユカリさん» コメントありがとうございます！私も書いていてスッキリした回でした（笑）思わぬところで智の地雷を踏んでしまった主人公でしたが…今後も楽しみに♪よろしくお願いします(´∀｀*) (2018年6月13日 11時) (
レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます！燃え続けて頂けるよう、今後も頑張ります(´∀｀*) (2018年6月13日 11時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
ユカリ(プロフ) - Harunoさんはじめまして。前からとても楽しく読ませて頂いています。私は智担なのですが、部長とくっついて欲しいなぁ、ってずーっと思ってましたが、なんか今回の読んでスッキリしました。なぜだろ笑。主人公ちゃんがどー出るのか今後も楽しみにしています。 (2018年6月4日 13時) (レス) id: 2ef62dda40 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Haruno様 おはようございます。コメントですが、ありがとうございます。Haruno様にそう仰って頂けて嬉しいです♪凄く萌えてますよ、、こちらこそよろしくお願いします (2018年5月30日 11時) (レス) id: 5c6683ff73 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - けいさん» こんにちは！コメント有難うございます(*´∀｀*)やっと、先へ進みそうな予感です(^^)翔さんに傾きつつあった気持ちや翔さんの今後の動きなど…注目して頂けたら幸いです！引き続きよろしくお願いします(*´∀｀*) (2018年5月29日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2018年5月8日 2時
