55 ページ5
.
いつもは誰かしらと一緒に残っていたから、初めてひとりで残業すると…
思ってる以上に静かで、ちょっと怖い。
でも、キリのいいとこまでは仕上げて帰りたいし。
時間もないし…
もう少し頑張ろうかな。
大野部長のような繊細なデザインは出来ないから。
イラストレーターを目指していた強みを生かして、万人ウケしそうなポップなデザインにすることにした。
やっぱり、こういうイベントだから女子ウケ必至だよね。
それでいて、目を引いて…印象に残るもの…
集中すると、ブツブツと独り言を言う癖はなかなか治らなくて…
いつもなら二宮さんから「怖いんですけど…」とか「気が散るー」とか言われるんだけど。
ひとりだからそんなことを言われることもない。
あの意地悪な顔を思い出して、ほんとなんであんなに機嫌が悪かったんだろうって。
今日１日の二宮さんのことを思い出す。
『んーーーーっ！集中切れちゃったな…』
ぐーっと背伸びをすると、扉にもたれて立つ櫻井さんが目に入った。
『えっ…あっ、どうかされました？』
ビックリしたまま、さっと立ち上がって、櫻井さんの方へ向き直る。
S「智くんに戸締り頼まれたからね。で？帰れる？それともまだ残る？」
『あっ、今日はもう帰ろうかなって思ってたところです…』
S「あ、そう。まぁ、まだ時間はあるんだから根詰めて頑張りすぎんなよ」
『はい…』
なんか、この前から時々優しい櫻井さんに戸惑う。
待っててくれているんだろう櫻井さんに申し訳なくて、急いで片付けを済ませる。
電気、クーラーの消し忘れがないように確認して、櫻井さんが戸締りをする。
ふたりで帰るのって初めてだ…
もしかして、私が終わるのを待ってたなんてことは…ないよね。
S「荻原、飯は？」
『飯？』
S「食った？まだ？」
『あっ、』
まだですって答えようとしたと同時に、静かなビルの中で盛大に鳴り響く、私のお腹の音。
S「ぷっ！！あっははははは！マジかよ」
その音に、櫻井さんは大きな口を開けて、顔をクシャクシャにして大笑いしてる。
『……そんなに笑うことないじゃないですか』
S「あはは。わり、わり(笑)」
仕事モードの櫻井さんとは違って、なんか砕けた雰囲気になった櫻井さんは、「笑ったお詫びに飯奢るから、行こうぜ」って、私の手を引いて歩き出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
グクとともに(プロフ) - 今更ながらなんですが感想を、主人公のうじうじがすんごいムカムカしながら見てます笑あとニノと飲みに行こって言うやつもなんでメッセージが来てないから大野さんと帰るって選択肢になったのかも分からずで自分からメール入れろよ！と、思いながら楽しく読んでます (9月5日 12時) (
レス) @page22 id: 53881abcf1 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます(´∀｀*)誰と結ばれるのか…是非とも楽しみに続きを待っていて下さい！もう決められなさ過ぎて、アンケート取りたいくらいです(^^;) (2017年12月12日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - keiさん» いつもありがとうございます！誰にしよーって、書いては消しての繰り返しです(^^;)それだけみんなが素敵過ぎて…(//∇//)続き、早めにアップしますので！！待っていてください(≧∀≦) (2017年12月12日 17時) (レス) id: cb4b34da9b (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - 大野さんと結ばれてほしい……とはいかないかなぁー……あぁー大野さんの悲しむ顔ダメだ想像しただけて胸が苦しい……誰と結ばれるのか気になる！続きみたい……でも、見れない……見たい……ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ (2017年12月12日 1時) (レス) id: 49b8cae516 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - ますます楽しみになりました！ホントに誰？智くんにまさかの告白済とは(^_^;)ホントに楽しいですね〜(//∇//)うらやましい限り。続き待ってます！ (2017年12月10日 14時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Haruno*
| 作成日時：2017年9月13日 5時
