(亜)__果実__ ページ6
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砂浜に名前を書いて、押し寄せては引いていく波を寄り添って眺める2人。
亜「また来年も会えるかな？」
「絶対会いに来るから」
幼かった2人が、そんな約束をした10年前の夏の夜。
亜「離れたくない」
「ん...私も」
亜「もう少し、こうしてたい」
そう言って亜嵐はAを抱きしめる。
「落ち着く...」
亜「名前消えちゃったね」
「そうだね...もうそんなに時間経ったのかな」
亜「もうすっかり遅くなっちゃったもんね」
「ん...帰ろうか」
名残惜しそうに砂浜を後にする2人。
無言で手を繋いで歩く2人。
亜嵐が地元を離れて、夏休みに数日だけ、貯めたバイト代で会いに来たA。
別れ際、一筋の涙がAの頬を流れる。
亜「ごめん...寂しい思いさせて」
「大丈夫...平気だから」
亜「大好きだよ...A」
「私もだよ...亜嵐」
_____________________
俺には、夏になるといつも思い出すことがある。
2人で行った、鎌倉の浜辺。
何度もキスを交わした、夏の夜。
何も話さずに歩いた帰り道。
今もこの胸に、夏の日差しのようにしっかりと焼き付いている。
裕「亜嵐くーん」
亜「何ー？」
裕「今日飲みに行かへん？」
亜「あー...今日はパス。ごめん」
裕「女か」
亜「ちゃうわ(笑)ちょっと行きたいとこあって」
裕「ふーん」
亜「また今度、ね？」
裕「しゃーないなー」
次の年にもまた会おうって、約束したのに俺が行けなくて。
それから結局自然消滅してしまった俺らは、それぞれ過ごしてすっかり大人になった。
もちろん彼女はいたりしたけど、やっぱり忘れられなくて、会いたくて、毎年あの砂浜を訪れてしまう。
今日がその日だった。
俺は、ただ思い出に浸って、帰るだけ。
そんなことを毎年してた。
ザーッて音が心地よくて、2人で座った砂浜に1人で腰掛ける。
今年はいつもより早い時間に来れた。
亜「変わらないなー...」
夕日が沈んで、まだ明るい水平線を眺めて、ボソッと呟いた。
写真を撮ってみたり、音楽を聴いてみたり。
いつも過ごすみたいに砂浜でのんびりと過ごしてた。
だけど、今年は何かが違った。
一筋の涙が頬を伝ったのがわかった。
あの日、Aがしたみたいに、頬を伝って、砂の上に落ちた。
会いたい。
その思いが今年はやけに強かった。
当時の光景が、やけにリアルに思い返されて、胸が締め付けられた。
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べてぃ。(プロフ) - 春さん» クリスマスは本来日本とは関係のなかった行事ですが、近年イベントとして派手に取り扱われているけど、本来の意味は知らない人が多いということで、そのような表現をしました。今後ともよろしくお願いします(^^) (2020年6月17日 21時) (
レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - 春さん» 返信遅くなりすいません。誤字に関しては直しました。色々と教えて下さりありがとうございます（ ; ; ）プレゼントに関してですが、日本のお話です。→続き (2020年6月17日 21時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続けてのコメントですみません(>_<) 主人公ちゃんが居る所って海外とかじゃないですよね？ だって日本では縁のないはずのクリスマスってあった ので...。 (2020年5月4日 11時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
春 - おはようございます(*^^*) 物語読んでいて疑問に思ったのですが...。 (涼) プレゼントのここの部分 日本とは縁のないはずのクリスマスに、なぜか心を躍らせて街を歩く無数のカップル達。 これって日本のお話ですよね？ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
春 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ページ9のここの部分 ○○←名前は亜嵐に肩に頭を乗せる。 これ正しくは亜嵐の肩にではないんでしょうか？ (2020年5月4日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年7月25日 18時
