(涼)__笑顔__ ページ31
.
いつもお前は俺に笑顔を向けてた。
俺もいつも、お前に笑顔を向けてた。
それがどれだけ難しいことで、幸せなことなのか、俺はやっとわかったんだ。
____________________
涼「Aー、帰ろ」
「涼太待ってー！」
小さい頃から家が隣同士で、同い年のひとりっ子の娘息子を持った親同士が、仲良くなるのに理由なんていらなかった。
ひとりっ子でも、2人が一緒なら寂しくないって、俺たちは物心ついた頃から、週末はどちらかの家に泊まってた。
お互いの両親も、流石に思春期が来ればなくなるだろうって思ってたらしい。
だけど、なくなることはなくって、一緒に試験勉強して、同じ高校に合格した。
そして、入学して半年が経った今も、俺は教室にAを迎えに行っている。
涼「置いてくで」
「嫌や、待ってって」
何やら友達と話していた様子のA。
邪魔したかなーってちょっと申し訳なくなる。
「ごめん、お待たせ」
涼「行こ」
「うん」
学年内で、俺らが付き合ってることになってるのは知ってる。
でも実際は付き合ってなんかいない。
特にそういう話になったことはないし、兄妹だと思って育ってきたから、Aに彼氏ができた時が、俺の役目が終わる時だって、当たり前に思ってた。
そう思ってたつもりだったけど、俺はAに彼氏ができるなんてこと、想像もしていなかっただけだったのかもしれない。
「なぁ、涼太」
涼「ん？」
「あんな、3年生の中務先輩って知ってる？」
涼「あー、なんかダンスやってる人やろ」
「そう」
涼「その先輩がどうしたん？」
「んー、なんか友達経由で紹介されてんけど...」
涼「ふーん、で？」
「今日昼休み会いに来て、今度の週末出かけることになってん」
涼「そっかー。よかったやん」
「なぁ、私何着て行ったらいいかな？」
涼「それは自分で考えてや(笑)」
着ていく服を悩んでいるAを見て、心の奥で何かが剥がれるような痛みがしたような気がした。
「なぁ、涼太一緒に選んで？」
涼「いいけど...じゃあ今から見に行く？」
「うん！お願い！」
Aは救いの手を見つけたような、キラキラした表情で俺を見てくる。
思わず頭を撫でたくなるこの顔。
撫でたところで、自分の方が誕生日が先だって、言われるだけなんだけど。
っていうか中務って先輩ってそんな感じだっけ。
ダンスしてる時以外は、すごいシャイなイメージだったんだけど。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べてぃ。(プロフ) - 春さん» クリスマスは本来日本とは関係のなかった行事ですが、近年イベントとして派手に取り扱われているけど、本来の意味は知らない人が多いということで、そのような表現をしました。今後ともよろしくお願いします(^^) (2020年6月17日 21時) (
レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - 春さん» 返信遅くなりすいません。誤字に関しては直しました。色々と教えて下さりありがとうございます（ ; ; ）プレゼントに関してですが、日本のお話です。→続き (2020年6月17日 21時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続けてのコメントですみません(>_<) 主人公ちゃんが居る所って海外とかじゃないですよね？ だって日本では縁のないはずのクリスマスってあった ので...。 (2020年5月4日 11時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
春 - おはようございます(*^^*) 物語読んでいて疑問に思ったのですが...。 (涼) プレゼントのここの部分 日本とは縁のないはずのクリスマスに、なぜか心を躍らせて街を歩く無数のカップル達。 これって日本のお話ですよね？ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
春 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 ページ9のここの部分 ○○←名前は亜嵐に肩に頭を乗せる。 これ正しくは亜嵐の肩にではないんでしょうか？ (2020年5月4日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べてぃ。 | 作成日時：2019年7月25日 18時
