紙とペンと銀 ページ7
ー少し前の話ー
今日、ワレは黒蜥蜴に主からの書類と伝言を届けに行かねばならない。
書類はまだしも、伝言…
どうしよう…
…なんとかなるか!最悪エリス嬢を呼べば済む話だし
まあ、面倒くさいけど…
主、何故ワレに伝言を頼むのですか…
広「おや、金色夜叉殿。書類ですか、ありがとうございます。」
さて、書類の次は伝言だ。
『エリス嬢ー?』
キョロキョロと周りを見ていると…
なんと銀が紙とペンを差し出してくれた
なるほど、その手があったか!
なになに?
《紙とペン、持ち歩いていると便利ですよ。私もよく使います。》
ふむ。
《良かったら差し上げます。》
なんと!銀!なんて良い子なの!
『有難う』
そう書くと、銀が少し笑った…ような気がする
まあいいか。
そうしてワレは黒蜥蜴に伝言を無事に届けることができたのだ。
そうしてワレは重大な事実に気がつく。
…あれ?
これでエリス嬢以外と会話が出来るようになるってことか!!
急いで主の元に戻らねば!
in紅葉の部屋
紅「おお、遅かったのう。」
ワレは紙とペンを取り出して…
『ただいま戻りました。』
紅「!!」
これまでだったら頷くだけだった。
ワレに言葉が無かったから。
これからは違う。
ワレには言葉があるから。
主は紙を見て驚いた顔をした後、微笑んで
「おかえり。」
と、一言。
一言ではあったが、ワレは嬉しかった。
そうしてワレは主と会話をするようになったのだ。
意思疎通ではなく、会話だ。
これがきっかけでワレは紙とペンを携帯するようになった。
そして、ワレは銀に救われたのだと思う。
エリス嬢は主や主以外の人間と会話ができる。
ワレにはできない。
それがワレを少しながら追い詰めていた。
ワレは《役立たず》なのだと思っていた。
銀がワレに
「役立たずではない」と紙とペンを渡すことで伝えてくれたように感じたのだ。
そんな訳で銀には恩を感じている。
たかが紙とペン。
されど紙とペン。
銀、有難う。
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紙とペンは消耗品であるため、金色夜叉が異能であるとはいえ、補充が必要。
そこで紅葉は紙とペンの仕入れを銀に一任している。
黒蜥蜴としてだけでなく、銀として、紅葉と金色夜叉とは交流がある。
ちなみに紅葉からこの仕入れの提案をしているため、紅葉も少なからず、銀には感謝しているのだ。
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かりきな音 - 青鯖ぷりんさん» 見つけてくれてありがとー! (3月2日 10時) (レス) id: d3ef7c29ab (このIDを非表示/違反報告)
青鯖ぷりん - 見つけたよー!リア友ー! (2月25日 10時) (レス) @page6 id: 88ee4ddb0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かりきな音 | 作成日時:2024年2月23日 18時