『5-4』 ページ21
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「A〜〜。
用事思い出したんだけど〜、僕。」
「えぇ〜〜〜！！」
従業員控え室から慌てて出てきた。
「ごめんね、今日、実家帰る日だった〜。」
あぁ〜、よかった。
頻繁に実家に帰ってて。
それをAも知ってて、あぁ〜、よかった。
こんな時には役立つとは、、、
親孝行な息子で良かったよ、ほんと。
「ごめんね〜、また今度、２つ買ってあげるから。」
「えぇ〜！ほんと！？」
「ほんとほんと。
それより、忘れ物は見つかったの？」
「あ、、」
「早く探して。鍵は僕が掛けるから。」
「はぁい、」
………仕方ない、仕方ないんだよ。
「ギョンちゃん、お待たせ〜」
「はーい、ほんと今日はごめんね。」
僕、悪くないけどね。
「本当だよー、何のために待ってたのさー。」
「ごめんってば。」
「でも仕方ないね。
ギョンちゃんのお母さんによろしくね。」
「Aのことなんて知らないよ。」
「私のことお母さんに話してよ〜、バイト先にすっごくいい子がいるんだけどね、って！！」
「そんな嘘、言えないよ。」
「嘘じゃないもん。」
頬をぷくって膨らませて、小学生みたい。
「私はママにギョンちゃんの話、するよ。」
え、なにそれ。
ちょっと、嬉し……
「口うるさい姑みたいなバイト先の友達だ、って。」
ちょっとでも嬉しいなんて思った、さっきの自分を殴りたいよ、もう。
「なにそれ、全然嬉しくないんだけど。」
冗談だよ〜、って笑ってたけど
多分。本当にそう言ってるな、こいつ。
ガチャって扉を開けて
Aが先に外へ出ると
「え、」って声。
「なんで、」って声。
「ちょっと、ギョンちゃん。」って声。
Aを押し出して、無理やり鍵を掛けてバイバイって言って
全部スルーだ。当たり前だ。
仕方ないんだ。仕方ないんだよ。
確かに僕がドーナツ買ってあげるより
こっちの方が、ずっと手っ取り早い。
でもさ、でも。
なんていうか、A、ドーナツ楽しみにしてたから、、
買ってあげたかったっていうか。なんていうか。
寄るつもりだったドーナツ屋さんの前を嫌でも通る。
悔しいから、僕の分だけ買おうかな。
特別、ドーナツが好きってわけじゃないけどさ、
…やめておこう、なんか虚しい。
仕方ない、仕方ないんだよ。
セフンが待ってたんだから。仕方ない。
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こ - 更新ずっと待ってます！！ (2019年5月23日 22時) (
レス) id: dac06a2320 (このIDを非表示/違反報告)
K.S.A.t(プロフ) - 慧さん» いつもいつも暖かいコメントありがとうございます〜！！ ノロノロ更新にはなりますが、楽しんで頂けるよう全力を尽くします！笑 (2017年6月5日 22時) (レス) id: f01fac4db1 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 待ってました〜。新しい楽しみが出来た。 (2017年6月1日 13時) (レス) id: b94228d3af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K.S.A.t
| 作成日時：2017年5月31日 0時
