『5-1』 ページ18
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「ありがとうございましたぁ〜〜」
語尾が伸びきったAの声に続いて
僕も小さな声で
「ありがとうございました、」
ドアベルを鳴らしながら帰っていくお客さんの背中を見送って
ドアが完全に閉まると同時に
「疲れたぁぁぁ、、」って声。
「今日、しんどい！お客さん多い！」
「叫ばないで。他のお客様のご迷惑となります。」
「だって、ずっと立ちっぱなし！足むくむ〜。」
って、文句ばっかり。
「ギョンちゃん、ギョンちゃん。」
って言いながら厨房とレジの間にある腰までの仕切り扉を通ってやって来る
閉店準備として、厨房の台を綺麗にする僕の前に
端っこにあった椅子を引っ張り出してきて、どかっと座る
「疲れましたぁぁ」
って、拭いたばっかりの台に突っ伏すから
思わず、持ってた布巾で頭をはたいてしまった、、
「え、何！？」
「あ、ごめん。そこ拭いたばっかりだったから、つい、、」
「え、そうなの？それは、こちらこそごめん、」
「痛かった？」
「ううん、痛くはなかった。少し驚いただけ。」
「ごめんね。」
「こちらこそ、ごめんなさい。」
…………。
なんか嫌な沈黙。
沈黙を気にしないために、もう一度その台を拭く。一生懸命。
「……ねぇねぇ、ギョンちゃん。」
沈黙に耐えかねたAに、僕は目だけで返事する。
ん？って。
「今日、ラストまで？」
「うん、そうだよ。」
「なぁんだ、」
「どうしたの？」
「ギョンちゃんと一緒に帰ろー、と思ってたから。」
「…何が目的？」
「え〜、別にないよおう。」
「……。」
「…駅前に新しく出来たドーナツです。」
「セフンと行けばいいじゃん。」
「……喧嘩した。」
「またぁ？」
「呆れた声を出さないで下さい。」
「実際、呆れてます。とても。」
うぐぐ、、って漫画みたいな声の詰まり方をしたAは一気に、しゅーんってなった。
「……ラストまで待ってるんだったら、ドーナツ行ってあげてもいいよ。」
「ほんと！？」
「ほんと。」
「それは、もしかして、奢りですか！？」
こういう時に限って、目をキラキラさせてるんだから、ほんともう。
うん、って頷いて見せると
やったー、って。
さすが年上！！ギョンスさぁーん！って。
喧嘩して元気なさそうだから、仕方ない、って思ってたのに、全然元気だし。
………ま、いいか。
ドーナツ１つでこんなに元気になるんだったら。
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こ - 更新ずっと待ってます！！ (2019年5月23日 22時) (
レス) id: dac06a2320 (このIDを非表示/違反報告)
K.S.A.t(プロフ) - 慧さん» いつもいつも暖かいコメントありがとうございます〜！！ ノロノロ更新にはなりますが、楽しんで頂けるよう全力を尽くします！笑 (2017年6月5日 22時) (レス) id: f01fac4db1 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 待ってました〜。新しい楽しみが出来た。 (2017年6月1日 13時) (レス) id: b94228d3af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K.S.A.t
| 作成日時：2017年5月31日 0時
