７ ページ14
破壊力は抜群だったと思う。
Aは驚いた顔で俺を見て、
ぴたりと静止した。
「や、何言って―――」
「好きだよ」
「え・・・・・・？」
ふわりと夜風が彼女の髪を乱して行く。
俺の心臓はこれまでにないぐらいばくばくしてた。
「友達じゃなくて、男として、俺を見てくんないかな」
「・・・そんな、急に・・・」
「急じゃないよ。俺はずっと前から―――」
「あたし帰るっ」
くるりと身をひるがえして、
Aは俺の元を離れてく。
こんな山の中から、どうやって一人で帰るんだよ。
真っ暗なのに。街灯だってちかちかして頼りにならない。
すぐ立ち止まるだろうと思ったけど、
Aはどんどん離れてく。
姿が見えなくなったら終わりだと思って、
慌てて俺はAを追いかけた。
―――ぱしっ
「待てよっ」
細いAの手首を掴む。
「離してっ」
Aはぶんぶん手を振り回すけど、離さない。
「そんなに俺が嫌いかよっ・・・！！」
「違うっ！」
Aが俺の方を振り返った。
潤んだ瞳で。俺を見つめる。
「車乗れよ・・・。俺が、悪かった・・・」
Aは今にも泣きそうな目で俺を見つめたまま動かない。
「ほら、行くぞっ」
強引に引っ張って、車に押し込む。
あぁー・・・ニノ。ごめん。
俺やっぱダメみたい。
きらきらする街の光を受けながら、
俺たちは市街地を抜けた。
沈黙に耐えられなくなったのは俺の方。
「A」
「・・・」
返事してくれない。
まじで嫌われちゃったのかもしんない。
頼りない横顔のAの視線は、窓の向こう。
「さっき言ったことは忘れていいよ」
「・・・」
「俺ら、友達、だもんね」
「・・・バカ」
掠れた、聞こえるか聞こえないかぐらいの声で。
Aは確かにそう呟いた。
「・・・え？」
「・・・バカ雅紀」
「バカって、おれは真面目に―――」
「バカ、バカバカ。バカ」
「ちょ、言いすぎじゃな―――」
「好き」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
story - ほかのソロでも作ってほしいです(*^^*)(できれば) (2013年11月8日 19時) (
レス) id: 9348222185 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - はじめまして♪こ、これはーー!!TABOOヤバいですね!(//д\\)あれって打ち間違いじゃなかづたんだ！！綾音さんの小説大好きです(はーと)櫻井くん。も読んでるのでよろしくお願いします！ (2013年11月7日 23時) (レス) id: 7e3657f234 (このIDを非表示/違反報告)
ななは - トナリの櫻井くん。読者でーす！！！ 超絶面白いです♪La Songsも、よかったです！これからも、応援し続けます! (2013年11月7日 23時) (レス) id: 337d083f3d (このIDを非表示/違反報告)
琉乃(プロフ) - 椿綾音さん» んぁ、ほんまや…爆笑 ワタシとしたことが…← 消しましたんで安心してください← ほんまですか(*ﾟﾛﾟ)!! よっしゃキタぁぁぁあッ！！←テンション崩壊 (2013年11月7日 17時) (レス) id: afdb06e1d0 (このIDを非表示/違反報告)
椿綾音(プロフ) - 琉乃さん» 結末を言っちゃだめだ！！爆笑 消してもらえると助かる笑 アップします(*^^*) (2013年11月7日 15時) (レス) id: c7730cc97c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾音
| 作者ホームページ：http://s.ameblo.jp/midnight-taboo/
作成日時：2013年10月26日 17時
