【SERVAMP】君の今の主人は私なんだから【虚飾】

第１５６話　長くは生きられない ページ6

「なんじゃお主、知っておるのか？」


「えっ…何でテレビに……ピアニスト…？」



クロさんはうるさそうに城田君から離れ座布団に移り、
城田君は画面に釘付けになっています。



『父はフランス育ちの日本人で世界でも屈指のバイオリニスト、
母はオーストリア人でこちらも著名なピアニストです。

幼い頃から第一線で活躍し現在１８歳。
その指が奏でる音色はこの世の全ての欲を浄化する清らかさで……』


「こっ…！この世の全てのっ欲を浄化するあははっ！！」



マコトはツボに嵌って抜け出せない様子です。



『轟さん、日本滞在はいかがでしたか？何か印象に残ることは？』


『…カラオケ。毎日行った』



城田君は、間違いねえ、あの人だと何かを確信しています。



「この人！さっき会ったんだよ！“強欲”の主人なんだ！！」


「“強欲”の…？…残念じゃが、この青年…もう長くは生きられんようじゃな」



“強欲”に反応して、ヒューさんが言います。


もう長くは生きられない…とは、“強欲”さんは死期の近い人と契約する癖でもあるのでは……？




「ロウレスは、飽きれば主人を殺してしまう」



全然違いました。



「真祖の中でもそんなことをするのはあやつだけ…。
奴はとうに…壊れておるのじゃ」



あの可愛いハリネズミさんが…そんな物騒なことをするのですか。

あ、ロウレスとは“強欲”の通り名で、“唯一無二(ロウレス)”のことです。



『明日ここ東京オペラホールにてコンサートは最終日となります。
チケットは即日完売とのことです。
以上、会場前から小日向がお伝えしましたー』


「…この人はあまりかっこよくはないな」



城田君の話を遮ったキャスターは小日向さん、ということと、
マコトの女性の好みについてという余計な情報を仕入れることも出来ました。

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