152話 ページ9
シャワーを浴びてから、夜中。ベッキョンの部屋から抜け出し、誰もいないリビングで気になった韓国語の部分を勉強をしていると、ぴたり。赤くなった頬に、冷たい何かが触れた。
「こんな遅くまで勉強かい？偉いなぁ。」
「あっ、ジュンミョンさん。有難うございます…まだ寝てなかったんですね」
缶ジュースを差し出してくれた寝間着姿のラフな格好に、ワックスの落とした素の髪型のジュンミョンさんが、笑顔で僕の隣に座る。
「実は、お願いがあって。ギョンス達は明日から冬休みだけど、僕は仕事が入っているんだ…Aには悪いが、良かったら、これからも面倒を見てくれないか？もし実家に帰るとか、そういう」
「大丈夫です！構いません！！…あっ、いや…その…」
実家という言葉に、思ったより大きな言葉を出してしまい、恥ずかしくなる。夜中に大声なんて、失礼極まりない…。
目をパチリと開閉してから、ははははは…。目を細め笑い出したジュンミョンさんに、居た堪れなくなってすみません。と、謝ると、わしゃわしゃと骨ばったごつごつとした掌に、頭を撫でられた。
「助かるよ。特に君は皆から好かれているみたいだからね…。」
「…そうですかね、」
確かに、ギョンスには兄として、また、父として慕われているとは思うが…ベッキョンは、違う意味でだろうな…。あぁ、考えてしまうと憂鬱だ…。考えないようにしよう。
さらり。僕の髪の毛からジュンミョンさんの優しい掌が離れる。
「好かれているさ…A…」
どくり。僕の胸が鳴った。
…あれ、今のは僕に言ったんだよな？ジュンミョンさんに目を合わすと、ジュンミョンさんは一瞬眉を寄せ、にこやかに、ちゃんと僕に向かって、何時もの爽やかな笑みで微笑んで椅子から立ち上がる。
「さて、と。僕はそろそろ眠るとするかな…Aももう寝なさい。寝ないと細胞が破壊されていくぞ。」
「あ、は、はい。」
やっぱり、僕にだ。
立ち上がったジュンミョンさんに続こうと、筆箱に鉛筆や消しゴムを閉まっていると、がたり。よろめいたジュンミョンさんが、机に縋り付く姿で、体を横へと倒した。
「うっ…」
「ッジュンミョンさんッ！！？！？」
ギュ、と目を閉じ、衝撃に耐える苦しそうなジュンミョンさんに、すかさず僕は走り寄り、倒れないようジュンミョンさんの脇から手を入れ、ジュンミョンさんの顔を除き込む。ばくばく、ばく。嫌な心臓の鳴り方だ。
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ルカ(プロフ) - 凄く凄く面白いです！！もう更新されることはないのでしょうか、？ (2020年7月10日 2時) (
レス) id: 2e0d30f8b8 (このIDを非表示/違反報告)
知世(プロフ) - すごくおもしろいです！続きが読めて嬉しいです！ (2018年1月11日 5時) (レス) id: 1c332bbfc6 (このIDを非表示/違反報告)
さわこ(プロフ) - 続きが気になります！！(..)更新頑張ってください！応援してます(ﾉ^∇^)ﾉ (2016年3月23日 22時) (レス) id: 9fb7565ee0 (このIDを非表示/違反報告)
citron.(プロフ) - はんはんさんの書く小説が1番好きです。更新頑張ってください！（ ; ; ） (2016年1月27日 13時) (レス) id: a29a69a082 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すうちゃんがとても切ないです…なのにカイくんも。ああぁ(´；ω；｀)いつもいつもコメントしてしまってすいません笑 (2015年12月10日 20時) (レス) id: 1e32658c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんはん | 作成日時：2015年9月25日 17時
