149話 ページ6
母親の言いつけで白ばかりを着ていたギョンスなりの、大きな勇気に今更気付いた僕は感動し、勢い余ってギョンスの肩を掴むと、ぼそり。低く落ち着いた、綺麗な静音でギョンスが口を開く。
「………Aヒョン、」
「どうした？！？」
「…ヒョンが…黒が似合うって…言ったから…。黒は…僕の好きな色なんです。」
「そうかそうか！！似合ってるぞ！」
褒めたのにもかかわらず、ギョンスは眉間にシワを寄せ、渋い顔を表す。え、何故だ？
もしかして掴んだのが、いけなかったのか。パッと手を離す僕に、ギョンスは更に険しい顔をした。
「ヒョン…僕…可笑しいのかも、しれません…」
「可笑しい？」
「ヒョンを見ると、胸が、ドキドキ…音を立てて…それが、ベッキョンなんか気にならないぐらいうるさくて………ヒョンは、お父さん、なのに。………誰か他の人がヒョンと仲良くしているところを見ると……寂し、くて…イライラ、するんです……僕だけのヒョンなのにって………僕、可笑しいですよね？」
低い綺麗な声で言いきったギョンスが、下から僕の顔を見上げ、ハッと目を見開き、自身の手で口を塞ぐ。
「あ、僕…何言ってんだ？」
カァッーー。真っ赤になるギョンスの顔に、僕の顔にまでも赤が感染し、僕は聞かなかったことにしようと、菜箸(さいばし)を持ち、油に火を灯した。
嫉妬…なのか？
叩かれた後だからか、弟が、可愛すぎて仕方が無い。
無言でサラダを作り始めたギョンスを尻目に、僕はニヤニヤと歪な笑みを作りながら唐揚げを揚げ続けた。
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ルカ(プロフ) - 凄く凄く面白いです！！もう更新されることはないのでしょうか、？ (2020年7月10日 2時) (
レス) id: 2e0d30f8b8 (このIDを非表示/違反報告)
知世(プロフ) - すごくおもしろいです！続きが読めて嬉しいです！ (2018年1月11日 5時) (レス) id: 1c332bbfc6 (このIDを非表示/違反報告)
さわこ(プロフ) - 続きが気になります！！(..)更新頑張ってください！応援してます(ﾉ^∇^)ﾉ (2016年3月23日 22時) (レス) id: 9fb7565ee0 (このIDを非表示/違反報告)
citron.(プロフ) - はんはんさんの書く小説が1番好きです。更新頑張ってください！（ ; ; ） (2016年1月27日 13時) (レス) id: a29a69a082 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すうちゃんがとても切ないです…なのにカイくんも。ああぁ(´；ω；｀)いつもいつもコメントしてしまってすいません笑 (2015年12月10日 20時) (レス) id: 1e32658c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんはん | 作成日時：2015年9月25日 17時
