156話 ページ13
「おはよ〜ごだいまとぅ〜ヒョン。そういえばAヒョンに聞きたいことがあるんでとぅけど、」
朝起きて朝食の支度をしていると、私服姿のセフンに後ろから抱きしめられ、隣に居たギョンスがバタン、と壊れそうなぐらい乱暴に、冷蔵庫の扉を閉めた。ちらり。ギョンスの様子を横目で見てから、気にした様子のないセフンの低い緊張感の抜けた声が、僕の耳にあたる。
「ヒョン、クリスヒョンって知ってまとぅか？」
何時もの呑気さを醸し出すセフンに安心はするが…。
は？…クリス？
その名前に、僕の記憶がぐにゃりと歪み、どくどくと動悸が激しくなった。クリスって…そうだ。
イーシンという人から聞かされた…。じわり。冬だというのに汗が背につき、僕は首を振る。
「誰？知らない、けど」
口から出たのは偽りの言葉で。
なんで、セフンが…まさか、イーシンさんに話しを聞いたのか？それとも、
「いぇへっ。ならいいんでとぅけど。あ、お弁当はパスタにてぃてくだたいね。」
「う、うん…。」
もやもやと僕の胸に黒い影が纏わりつく。正直、最悪な気分だ。
離れたセフンに苦笑いを浮かべ、もやもやとした気持ちのまま卵を割ると、隣に来たギョンスが、小さな手で僕の袖を引いた。
「Aヒョン…今日、一緒に買い物へ行ってもらえませんか。」
少し裏返った声で緊張気味に伝えてくるギョンスに、ホッと安心からくる溜め息を吐き出し、僕は心からの笑顔を浮かべる。
「…あぁ、足りなかったか？…いいぞ、」
ーーー…Aヒョンとギョンスが話しているのを見て、俺はぼんやりと昨日のことを思い出した。いつも隅々まで綺麗に整理整頓されてある筈だが、その日は酷く荒れたルハニヒョンの喫茶店に、背の高いハンサムな顔立ちをした男。
「A…〜〜〜！！！」
「？！〜A！〜？！〜〜イ・テミン！！！クリス…〜〜！！！」
ルハニヒョンとその背の高い男はどうやら仲が悪く、店の中が荒れる程の喧嘩をしていたみたいで。怖い顔をしてルハニヒョンと男は怒鳴りあっていたが、内容が全て中国語で。俺には何を言っているのかさっぱりだった。
だが、聞き取れた言葉がある。
それはAヒョンと同じ名前のAに…異種族のイ・テミンという名前と、クリスという男らしき名前。
俺は気になって、厨房で呑気に珈琲を飲んでいるミンソクヒョンに訳を聞いてみたら、ミンソクヒョンはお子ちゃまは帰れとばかりに苦笑いで話しを濁すばかりで。
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ルカ(プロフ) - 凄く凄く面白いです！！もう更新されることはないのでしょうか、？ (2020年7月10日 2時) (
レス) id: 2e0d30f8b8 (このIDを非表示/違反報告)
知世(プロフ) - すごくおもしろいです！続きが読めて嬉しいです！ (2018年1月11日 5時) (レス) id: 1c332bbfc6 (このIDを非表示/違反報告)
さわこ(プロフ) - 続きが気になります！！(..)更新頑張ってください！応援してます(ﾉ^∇^)ﾉ (2016年3月23日 22時) (レス) id: 9fb7565ee0 (このIDを非表示/違反報告)
citron.(プロフ) - はんはんさんの書く小説が1番好きです。更新頑張ってください！（ ; ; ） (2016年1月27日 13時) (レス) id: a29a69a082 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すうちゃんがとても切ないです…なのにカイくんも。ああぁ(´；ω；｀)いつもいつもコメントしてしまってすいません笑 (2015年12月10日 20時) (レス) id: 1e32658c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんはん | 作成日時：2015年9月25日 17時
