155話 ページ12
真顔で僕に詰め寄るセフンは、僕の額に細い骨ばった色白の手を乗せたあと、ホッと溜め息を零し、自身の部屋へと僕を引き連れた。
「た、一緒に寝まと。」
「え？あ、うん」
「いいんでとぅか？」
そのままベッドへ直行したセフンは、ニヤリと顔を歪め、僕を引っ張り、抱きしめる。ドクン。訳もなく僕の胸が鳴った。
細いな…セフンの体…。
「ひっひっひっ…Aヒョンとどぅ〜っと一緒に寝てみたかったんでとぅ」
甘えるように抱きつかれ、クン、と間近で首筋の匂いを嗅がれ、僕は肩を震わす。…セフンの吐息が、暖かい。
ビューッ、ガタガタガタ。
外は吹雪なのか、窓に雪が当たる音が何度も部屋に響き、僕はまた嫌な記憶を思い出してしまいそうで、思わず、セフンを抱きしめ返した。
「…え、ヒョ、ヒョン、」
「…明日の朝ご飯、何にしようかな」
ヒョンの癖に情けない。無意識にどうでもいい話題をつくり、僕は銀髪のセフン髪をジッと見つめる。暗い中でも外からくる光でキラキラ輝いて…狼の姿になっても、セフンは銀髪なのだろうか？
「はぁ、……Aヒョンに、そんな顔をさせるのは、誰ですか？」
「え、」
「ジュンミョンヒョン、なんですか？」
セフンの低くボソボソとした聞き取りずらい喋り声が、初めてはっきりと、力強く聞こえ、僕は戸惑い、目の前にいるセフンに視線を合わす。
キラリ。ややつり目がちな凛々しくも優し気のある瞳が、宝石のルビーのように赤色に光って見え、僕は自身の目を瞑り、こすり、もう一度目を開けた。低く掠れたセフンの声が、耳に落ちる。
「…俺がAヒョンを…好きだって言ったら、ヒョンは…俺だけを、意識してくれますか…」
…赤い。感情を、表しているのだろうか？幼さを残したハンサムな顔で僕の顔ギリギリまで迫ったセフンを何処か鈍る頭で見つめていると、生暖かい感触が唇についた。
「いぇへっ…た、寝まてょうか。」
僕、キスされたのか。どうして。セフンを二度見つめるとセフンは目をぱちりと閉じ、ふにゃりとした柔らかい何時もの笑みで僕の体へと擦り寄ってくる。
「…冗談、でとぅよ。吃驚てぃまてぃたか？明日の朝ご飯、チョコレトが食べたいでとぅ」
「あ、おぉ…それはダメだ」
確か、初めて会った時も大親友と嘘をつかれたっけ。…もう一度、あの頃に戻れたら…いいのに。
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ルカ(プロフ) - 凄く凄く面白いです！！もう更新されることはないのでしょうか、？ (2020年7月10日 2時) (
レス) id: 2e0d30f8b8 (このIDを非表示/違反報告)
知世(プロフ) - すごくおもしろいです！続きが読めて嬉しいです！ (2018年1月11日 5時) (レス) id: 1c332bbfc6 (このIDを非表示/違反報告)
さわこ(プロフ) - 続きが気になります！！(..)更新頑張ってください！応援してます(ﾉ^∇^)ﾉ (2016年3月23日 22時) (レス) id: 9fb7565ee0 (このIDを非表示/違反報告)
citron.(プロフ) - はんはんさんの書く小説が1番好きです。更新頑張ってください！（ ; ; ） (2016年1月27日 13時) (レス) id: a29a69a082 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すうちゃんがとても切ないです…なのにカイくんも。ああぁ(´；ω；｀)いつもいつもコメントしてしまってすいません笑 (2015年12月10日 20時) (レス) id: 1e32658c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんはん | 作成日時：2015年9月25日 17時
