10話 TAO ページ10
タオ 視点
今日は部活がお休みだから、放課後は久しぶりに皆でバブルティーを飲みに行こうという話になった。それなのに、
「なんでタオより先にいっちゃうのぉ〜」
商店街の隅にパンダさんのぬいぐるみが居たから一緒に可愛い〜ポーズでセルカを撮っていたら、ジョンインとセフンに容赦無く置いてかれてしまった。ジョンインは何時ものことだし…いいけど、セフン！酷いよ？！僕、ヒョンなんだけど！
「ヒョン、うるさいでとぅ。僕は早くルハニヒョンに会いたいんでとぅよ」
「だからってぇ！タオより先にいくのはひーどーい！もー！隊長に言ってやるんだからぁ」
泣き真似をし、セフンに抱きつく。近くの女性から息をハッと吸う音が聞こえた。うふ。タオちゃん可愛いでしょー。知ってる知ってるー。
「本当にうるさい」
「ジョンインもひどいぃっ」
ぷぅ、と頬を膨らますとジョンインが誰かを見ているのに気づいた。視線の先はロングヘアーでこじんまりとした年下っぽい女の子とショートカットで年上っぽい女の子。あれ、タオどっかで見たことある気がする。制服が同じだし、学校かな？
「ジョンイン、あの女の子達が気になるの〜？」
「ん〜…」
すっごい曖昧な、返事〜。
「なんでとぅか、ヒョン。気になるんでとぅか、あっは、分かりやすいヒョンでとぅね」
セフンが力の抜けた声でクスクス笑うと、ジョンインは照れを隠すようにあはは、と笑いながら容赦無くセフンの肩を叩いた。
「ジョンインが仲良くなりたいなら、タオも仲良くなりたい〜！あっ、空いてる隣の席に座ろうよおタオ疲れたし〜」
ジョンイン僕から見ても顔格好良いし、こういっちゃ何だけど、あのロングヘアーの子ならすぐ付き合えそう。
「僕は、ヒョンの頼みならなんでもいいでとぅよ。ルハニヒョンが来るまで暇でとぅし」
それからのジョンインの行動は早かった。スタスタと何処かへ歩いて行ったと思ったら、もうロングヘアーの子の隣に座っている。
続けてタオとセフンが座ろうとすると、タオちゃんショートカットの女の子と目が合っちゃった。
鋭いタオの目とは逆で、とろんとした優しそうな下がり目に、赤茶色の髪。唇は赤くぷっくらしていて、胸も大きい。何より、色気が。
タオのタイプ。思わずぺろりと下唇を舐めてしまった。
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作者名：はんはん | 作成日時：2014年5月18日 20時
