＊deprive＊ (ページ2)

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杏奈は私とは性格が真逆なタイプだし
あっさりしてる。

それでも長年一緒に居るから、私には分かる。

二人は両想い。

だけど、どうしようもなく私も神山くんに会いたくて、お誘いを結局断りきれず

いつも二人の間に混ざる。

杏奈｢ねっむい…｣

智洋｢眠いんかい笑｣

杏奈｢んん…｣

今にも寝そうな杏奈を目の前に、
目を見合わせて笑う。

｢杏奈はお酒飲むとすぐ眠くなるから…｣

智洋｢なんかもう恒例やな…笑｣

杏奈｢神ちゃーん…、｣

智洋｢なに？｣

杏奈｢…｣

智洋｢寝言か…
可愛…｣

ああ、今。
はっきり聞こえちゃった。

なんか言葉で表されると、
ズシって重みがあるな…。

智洋｢ごめん…こいつ家まで送ってくわ｣

｢わかった｣

こういうことは、今までに何回かあった。

やっぱり杏奈には叶わないんだな。

私は杏奈の友人。

ただそれだけ。

それがなかったら、
神山くんには会えてなかったと思う。

｢じゃあ…また｣

智洋｢おん。気ー付けて帰ってな？｣

｢うん、またね｣

智洋｢また会おな！｣

また。

また会おな、って本当に優しいな。