たい焼き論争4回目 ページ5
□五条side
「何話してたんだよ」
いつも仲良さそうな傑とアイツ。俺は名字呼びなのに何故か傑は下の名前。
…まぁ、俺性格悪いし嫌われてんだろうけど。
「気になるかい?」
「は?別に」
認めたくはないが、少し図星でいつもよりキレ気味で返事をする。
「悟は大人気ないって話」
「潰す」
「うそうそ、冗談」
「テメ…」
「Aに好きな人ができたっていう話」
「はぁ?」
一瞬、ストンと何かが落ちる感覚に陥った。
…アイツに好きなヤツ?
「おー、怖い」
「誰だよ」
七海か?ありえそうだけど。
まぁ、目の前にいるコイツが一番ありえるんだけどな。
「さあ」
「教えろ」
「まぁ、冗談なんだけどね」
「ブッ飛ばす」
今日の傑は一段とめんどくせぇ。
いじられてんのはわかってるけど、アイツの話になると抑えが効かない。
「本当に悟はAが好きだね」
「んなことねーし」
「好きな子は、いじめたくなる」
「黙ってろ…」
.
素直じゃねぇのはわかってる。
でも、アイツの泣いている顔に惚れたなんて言えねぇだろ。その後たい焼き食べて笑った顔とか。普通にクる。
Aの親は非術師の家庭だから「人を救うんだ」と親を押し切って家を出て、その分頑張っているのは知っていた。でも、そんなに強いアイツが泣いてるところなんて驚いたけど、同時に可愛いと思った。
強そうに見えて、本当はちゃんと涙を流す儚さを持つAを柄にもなく俺は守りたいと思った。
□
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年4月14日 11時