・ ページ49
□
「ただAは僕のものだから誰にも触られたくないだけ。なんなら一生閉じ込めてもいい」
『それは怖いです』
改めて、付き合う時に言っていた言葉を実感する。本当に、私に依存しているみたいで。愛も重くて…。
『できるだけ気をつけます…』
「絶対気をつけて」
スルッと悟さんの大きな手で手を握られ、思わず顔を上げる。
とりあえず、この話は終わったみたいだ。でも、少しだけ切なそうな顔をしている悟さんに私も胸を痛める。
『全然呆れてないですよ…？』
「…え？」
別に、大人だって嫉妬する。子供っぽいなんて思わない。
きっと気にしてるんだろうな。
『私だって、嫉妬します。悟さんが硝子さんとお話ししている時、凄く気になります』
「！」
驚いた顔。なんか、新鮮だなぁ…。
『だからおあいこです』
「…そっか」
繋いだ手をさらに握りしめる。
大丈夫だよ。全然呆れてないですよ。むしろ愛おしいです。私のことを考えてくれてる、それだけで嬉しい。
それを恥ずかしいけど、呆れられるかもしれないけど、ちゃんと伝えてくれる。
「！」
私は油断している悟さんにキスをする。そしたらまた驚いた顔をする悟さん。それでも、私は離さない。
しばらく続くキス。たまに角度を変えると、チュッという音が聞こえる。
「ｯﾊ……A、」
『ゃ………』
もうちょっと…もう、ちょっとだけ…。
「ﾝ…ｯ」
私がグイグイ行くから、この前とは打って変わって悟さんから息切れが始まる。たまに漏れる悟さんの吐息に私はいつもより鼓動を早くした。
『はぁ、はっ…』
唇を離すと、思ったよりも息切れする。けれど、悟さんはまだまだ余裕そうだった。
□
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 383人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水原カノ
| 作成日時：2021年3月30日 14時
