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あー、これ死ぬやつじゃん。
… 遅延になるな
電車がもう頭にぶつかりそうになったその時だった____
「__っバカ!!!!」
その声が耳に入り、
次に視界にぐらりと移ったのは、白い光でも天国でもなく。
『(あれ、私、死んで____)』
駅の天井だった。
そして視界に映り込んできたのは見知らぬ男性が
息を切らしながら顔を真っ青にして私の顔を見つめていた
「大丈夫ですか!?怪我ないですか!?」
『……え、っと、あ、__っと…』
身体、痛くない。
どうして?死んだから?
あ、なんだか…目が重たくなって…_____気が___…
気づけば私は暗闇へと沈んでいったのだった__
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終電の電車が何事もなくなんとか走ったあと、女性はだらんと
人形のようになってしまった。
「ちょっと!?大丈夫か!?」
必死に女性を揺らすも意識が戻らない…脈を測ったら僅かに心音が確認して
死んでいないことにすこしほっとする___
仕事が終わり、地下鉄で解散したものの
幽霊のように歩く女性を見て心配になってついていったら
まさか人身しようとしていたなんて、
俺が駅へと向かってなかったらどうなっていたか。
改めて女性の状態を確認する。
よれよれのスーツにひどいクマ、綺麗とは言い難い髪、
乾き切った唇や真っ青な顔。
人身しようとしていたこの子はもしかしたら…
そして後からメンバーが続いて駅の階段を下がってきた。
「康二!」
「急に走り込んだと思ったら何事…ってえなにこの状況!?」
「なにがあったの!?」
「とにかくベンチに寝かせよう、駅員さんとマネージャさん呼んでくる!」
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作者名:澪 | 作成日時:2022年8月11日 18時