今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:27,545 hit
小｜中｜大
・ ページ35
side.イソップ
椅子に座っている彼女を一言で表すのなら
�猗�しい��
だった……
生者を好んでいない自分がこんな事を感じるのは不思議な気持ちになった。
椅子に座っても、一切抵抗する素振りを見せず
ただ、虚ろで何一つ映していない何処かへ向けていた。
今でも、生者は好ましくない。
だが彼女は生者だとは思えなかった。
それほどまでに彼女からは生気を感じられなかった。
死者よりも
自分が送り出してきた人々よりも好ましく
そして……
ドクセンヨクというものが働いた。
死者はいずれ朽ちてしまう。
一生美しくそこに居てくれる死者などいない。
だが、彼女は違う
生きているのだ
そこにずっと存在してくれる
彼女は死者ではないが、生者でもない
生者のような拒絶はない。
不快ではない
もう少し眺めていたい……
しかしそうしたら半分を超えてしまう
少し名残惜しく感じながら、彼女を救出した。
「……イソップさん」
一瞬虚ろな瞳を僕に向けたが、すぐにニコッと笑った。
「ありがとうございます」
その作り物の笑顔を僕に向けて
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リオン | 作成日時：2021年4月26日 22時
