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そこからは不格好で不器用なチェイスが始まった。
窓枠を乗り越えたり、板を倒したり……
走りながら、たまに後ろを振り向きながら
「ちょこまかと、随分小賢しい……」
勉強をしてきた
ルールを教わった
全てを活かさないといけない
そう思いながら、窓枠に手を掛けた
すると、後ろから激しい痛みに襲われた
「残念ですね……恐怖の一撃というのを理解していいればもう少し持ったと思うのですが」
そう言いながら、ジャックさんは私を抱き上げる。
「恐怖の、一撃……」
そう言えばそんなことが書いてあった気がする。
「まぁ、初めてにしては楽しめましたよ。
これからが楽しみですね」
そう言われ、考える……
どうだろう、時間稼ぎになったのだろうか
「今来るとしたら納棺師でしょうか……」
ジャックさんはロケットチェアに私を座らせると少し目の前で考える様に止まった。
「まぁ、いいでしょう」
そう呟くと、瞬間移動で何処かへ飛んで行った。
あぁ……結局迷惑を掛けてしまった。
どんどん気持ちが沈んでいく
この椅子は何処まで飛ばしてくれるのだろう……
いっそのこと誰もいない所まで……
本当に、
早く、キエタイな……
side.no
笛吹きが、椅子に座らされた
納棺師は怪我をしていない自分が行くとわかっていた。
椅子の時間と距離的にもう少し後でも大丈夫だと思っていた。
でも……
椅子の耐久値を見たとき驚いた
進みが普通より大分早い
納棺師は走り出した
急がないと半分を超えてしまう
ギリギリ超えるか超えないかのラインで
前例のない速さで進む状況で
ただ勝利するために笛吹きの座る椅子を目指した。
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作者名：リオン | 作成日時：2021年4月26日 22時
