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ヘレナさんがやって来たから解読を変わり、憤怒の奏楽を奏で始める。
ヘレナさんの手つきが少し早くなったように感じた。
笛なんて吹くのはいつぶりだろうか……
笛を吹いて歩くのはいつぶりだろうか……
久しぶりに吹いたはずなのに、
現役の時代とそんなに変わっていないように感じる
ゆっくり、心臓がドク、ドクと音をたてている。
その様子を感じながら、
あぁ、誰か来ているんだなと思いながら
奏で続ける
「おやおや、美しい曲が聞こえると思ったのですが……
貴方でしたか」
吹く手を止めずに顔を上げるとそこには
ジャックさんがいた。
「？……逃げないんですか」
いつの間にか暗号機は上がっており
ヘレナさんはいなくなっていた。
気づかなかったな……
そう思いながら、演奏をやめる。
「……殴らないんですか？」
そう聞くと、ジャックさんは考えるような素振りを見せる
「……少し時間を上げましょう。
離れていいですよ」
一時的に逃がしてくれるらしい。
「ありがとうございます。」
そう言って、走り始める。
チェイスというものだろう。
時間稼ぎ……
自分は補助向きだと聞いたが、チェイスが出来るのか……
少し後ろを振り向くとジャックさんがこちらに向かって歩いてきていた
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作者名：リオン | 作成日時：2021年4月26日 22時
