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side.范無咎
新サバイバーの歓迎会で、必安がAとかいう奴に近づいた。
近くで見ると、やっぱり玲に近しいものを感じた。
それに、必安が確認したが25歳、玲は今それくらいのはずだ。
でも、違う。
俺の知っている玲はこんな奴じゃない。
こんな所に来るような、そんな……
「あの……どうかしましたか？」
流石にじっと見ているの気になったようだ。
「いや、何でもない。気にするな」
そう言うと、彼女はゆっくりと酒に目を移した。
「お酒、好きなんですか」
その質問はどこか、自信があるような
言葉だけ聞けば質問だが、聞き方を聞く限り
知っていて聞くような、そんな感覚に陥る。
「あぁ、嫌いじゃない。
……よく必安と飲んでいた」
懐かしい昔の、まだ俺と必安が生きていた時の事だ。
「そう、ですか……」
彼女は少し俯きながら、お酒の入っているグラスを回した。
「お前には、一緒に飲むやつはいなかったのか？」
そう聞くと、少し悲しそうに笑いながら
「いたんですけど……いなくなっちゃって、それで……」
「いや、いい。悪かった」
話させてはいけない気がして、遮った。
必安が女性には優しく丁寧にとよく言っていた。
その練習のために、玲によく付き合ってもらった。
だんだん懐かしくなってきた。
「悪いがそろそろ部屋に戻らせてもらう」
そう言って立ち上がると、
「はい、またお話しましょう」
と言いながら、手を振って来た。
よく、玲もやっていたな……
そう、感じた。
部屋に戻って必安に話しかける。
「あいつは、本当に玲に似てるな……」
「ええ、私もそう思います。でも……」
そこまで言うと、必安が口ごもる。
必安の言いたいこと俺はわかる気がした。
「玲がこんなところに来るわけがない、か？」
「はい。無咎も、そう思いますか？」
あぁ、俺はそう
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作者名：リオン | 作成日時：2021年4月26日 22時
