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アルコール87% ページ43







人通りの多い繁華街を抜けて、アタシ達は暗がりの中、取り留めの無い会話をしながら帰路に着いていた

ヒールのトップリフトとアスファルトがぶつかり合って、閑静な道に反響する音が耳に入ってくる


(せっかくお洒落して来たのに)


そう思いながら、耳元で揺れるパールのピアスを惜しんだ

悠馬のためにカエデちゃんのところまで行ってメイクをしたのにも関わらず、今アタシの隣には酔っ払った異性の友達が上機嫌で歩いている


(アタシ何してんだろ。こんな奴のために告白放ったらかしにして)


その端正な顔立ちと目が合った


「肩貸して」

「やだよ」

「え〜、何で。丁度良い高さに用意してくれてるじゃん。置いて良いってことでしょ」

「お前の肘掛けになった覚えはねぇぞ」

「良いや。勝手にくっ付く」


拒否するアタシを無視した彼は強引に頭を預けて来たもので、右肩にえらく重力が伸し掛る


「ちょっ!馬鹿。重ぇんだよ!自分で歩けっつーの!」


そう言って業を睨むと、琥珀色の瞳もこちらを捉えるように見ていて余計に皺が寄った


(すごい見られているんだが)


「んだよ」

「Aって睫毛長いんだね。マスカラしたらそうなるんだ」

「は?気持ち悪ぃな。ジロジロ見んじゃねぇよ」

「アハハ。髪もくるくるでおもしれ。巻いた?」


彼は、自身の指の先端に金髪の毛先を巻き始めた

ギョ、とどこか危機感を覚えたアタシはそれを掌で奪い返す


「誰が人の毛先はスパゲッティだ!絡めて遊ぶな」

「ねぇこの青い服は?ニットって珍しくね。新調したでしょ」

「聞いてんのか!」


今度はアタシの上腕辺りをケーブルニット越しに引っ張って、距離を詰めて来る


(こいつ酔っ払ったらこんな感じなのか?)


段々とスキンシップを要求して来ているようにも思えて、慣れない扱いに戸惑った

いつもと明らかに何かが違うのだ


「だぁもう!さっきから何だよ!ベタベタと!言いたいことあんならハッキリ言えよ」

「ん〜?良いよ。俺が今思ってること言ってあげようか。その代わり殴り付けるの辞めてね」


飄々としている業に、縋り付くように期待を寄せる


「Aが女子みたいな格好しても似合わないよ」


(頼むからそう言え)


この違和感ごと一緒に彼を叩き落とさなければ、気がおかしくなりそうだ


「今日もホント可愛いね」

「はぁぁぁ!?お、お前酔い過ぎだろ!何言ってんだ!」

「痛って。だから辞めてって言ったのに」





アルコール88% ※若干ぴんく→←アルコール86% (モブ視点)



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設定タグ:赤羽業 , 市販書き(二次創作),暗殺教室 , 磯貝悠馬   
作品ジャンル:恋愛
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しがない物書き(プロフ) - ゆあさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!イケメン委員長がしっかりイケメン委員長していたようで良かったです✨️よろしければこの先もご覧くださると幸いです! (4月18日 12時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 磯貝くんのイケメン度が忠実に再現されてて、好きです。更新頑張ってください! (4月17日 23時) (レス) @page43 id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
しがない物書き(プロフ) - たにさん» コメント嬉しいです!!🤤 たに様のメッセージで筆が乗ります! (3月25日 18時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月25日 13時) (レス) @page38 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しがない物書き | 作成日時:2023年12月20日 3時

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