お酒は二十歳になってから ２杯目

アルコール69% ページ25

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(どうしてこうなった)


アタシは大型ショッピングモールのレディースファッションブランドで眉を下げて困惑していた

顔が隠れる程大量に洋服が積み上がったものを持たされて、アタシの前に居る有希子ちゃん、陽菜乃ちゃん、桃花ちゃん、を少し離れているところから二の句を告げられないまま立ち尽くしていた


「あ、これも似合いそう！」


そう言って近寄って来た桃花ちゃんが山積みの洋服の頂に、大人っぽいデザインのジレベストを置く


(また増えた･･････)


「なぁ。まだこれ続けんのか？」

「全身コーデだからあと1時間くらいかな？Aちゃんは見てるだけで良いから私達に任せてね！」

「まじか」


(女の子の買い物って長ぇ)


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事の発端は桃花ちゃんのこんな一言からだった


「Aちゃん垢抜け化計画ってことだ ! 楽しそう〜 ! 私達もやるやる〜 ! 」


有希子ちゃんの買い物に付き合うだけの予定で着いて行ったショッピングモール

そこで何の前触れも無く、お礼に洋服をプレゼントさせて欲しいの、と告げられて度肝を抜かれた

流石にそれは悪いと断っていたものの、中々折れてくれないもので、じゃあ一着なら、と渋々洋服を見て回っていると

その最中にこの二人組に出会い、話が大きくなり始めたのだ


「Aちゃんは綺麗めカジュアルな感じが似合うと思うの」

「いやいや。何で皆してアタシの服選んでんだよ」

「じゃ〜ん！この萌え袖になりそうな青のニットはどう？」

「それは却下だ。桃花ちゃん。んなの普段着ないって」

「え〜。神崎さんはどう思う？」

「矢田さんの持っているタートルネックのニット素敵だと思う」

「え」

「だよね！これに合わせて小ぶりなピアスとか良いよね！」

「こういうのとか〜？」


そう言って楽しそうに陽菜乃ちゃんはパールのピアスを持って来た


(パール！？)


警報が頭の中でけたたましく鳴った

これは流石に止めなくてはならない、と使命感に背中を押される

あまりにも普段のアタシから駆け離れ過ぎているのだ


「待て待て！ニットはギリセーフとして、アクセサリーは以ての外だってば。これはよしとこう。な？」

「もう。Aちゃん邪魔しないでよ〜」

「･･････えぇ」


(恐るべし。E組の女子力高い三人娘)


当人を蚊帳の外に置き去りにしてキャッキャッと盛り上がりながら、アタシのトータルコーディネートが完成に近付いて行く





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