アルコール60% ページ16
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泡と液体部分が7対3の黄金比になるように注いだアルコール飲料を、片手に5つずつ抱えて、小皿で溢れ返っているテーブルの上に置いた
「はい。お待たせ」
注ぎ立てのそれはシュワァァ、と真新しい音が立っているもので、美味しいうちに飲んで貰おうと本日何杯目かのビールを皆に配っていく
「ありがと〜」
そう言ってクラスメイトが卓上に置いていったお酒を受け取る中、サンキュー、と軽薄な返事がしたかと思えば、誰かに大殿筋の辺りを叩かれた
「おっ。左右田、良い尻してるじゃん」
苛立ったアタシはアルコールが入って上機嫌になっている前原に、思いっ切り足の甲を踏ん付ける
「痛ぇッ!」
「触るなカス。お前飲み過ぎなんだよ。ちったぁ控えろ」
「お前本当に女子かよ。もうちょっと可愛く注意してみろって。な?」
「は?アタシにんなもん求めんな。引っ叩いて酔いから目覚ましてやる」
今にも火花が散りそうな目線をお互いが飛ばしていると、陽菜乃ちゃんの穏やかな可愛らしい声が耳に入って来た
「あれ〜?Aちゃんの飲み物が足りないよ」
「陽菜乃ちゃんは優しいな〜。アタシはお冷の水割りで十分だから」
「「それただの水」」
その場に居たクラスメイト全員から息の合ったツッコミが入り、はしゃいでいる同級生の様子にこちらまで微笑ましい気持ちになった
(皆が楽しそうで何よりだ)
「おい!左右田はいつまで俺の足踏んでるんだよ!」
「あ?何当たり前のことを聞いてるんだ。お前がアタシに土下座するまでだ」
「ゴリラ女め」
「おうおう。今のもっぺん言ってみろ。両足で全体重掛けて乗ってや・・・・・・」
「左右田ちゃん〜!」
「乗ってやるよ」
そう前原に言いかけたところで、少し離れたテーブルに居る莉桜ちゃんに呼び出されたもので、渋々彼を解放した
「は〜い!今行くな!」
蹲る彼を置き去りにし、スラックスのポケットに突っ込んでいた片手サイズの小さなメモ帳と油の付いたボールペンを取り出して、彼女の元へ早足で駆けて行く
(オーダーかな)
アタシに向けて手招きをする莉桜ちゃんと一緒に飲んでいる女の子達の卓へ辿り着き、メモ帳の白紙のページを開いた
「ご注文どうぞ」
「いや〜、そんなのは良いのよ。左右田ちゃんはこのクラスで誰が一番早く結婚すると思う?」
「え"」
どうやらこの卓は恋愛の話で盛り上がっている最中のようだった
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しがない物書き(プロフ) - ゆあさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!イケメン委員長がしっかりイケメン委員長していたようで良かったです✨️よろしければこの先もご覧くださると幸いです! (4月18日 12時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 磯貝くんのイケメン度が忠実に再現されてて、好きです。更新頑張ってください! (4月17日 23時) (レス) @page43 id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
しがない物書き(プロフ) - たにさん» コメント嬉しいです!!🤤 たに様のメッセージで筆が乗ります! (3月25日 18時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月25日 13時) (レス) @page38 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しがない物書き | 作成日時:2023年12月20日 3時