アルコール57% ページ13
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「そう言えばこの間。連絡くれてありがとうな」
彼はテーブルにおしぼりを並べながらそう言った
冷蔵庫にはアタシと悠馬でセットをしたお摘みの仕込みが眠っており、約束の時間まで残り20分を切ろうとしていたところだった
「Aさんがグループラインに同窓会の連絡入れてくれて、クラスの輪の中に戻って来てくれた感じがして俺嬉しいよ」
A〇月X日 18時頃
アタシのバイト先を貸切にします !
皆、参加待ってる !
表情を崩して話す彼を見ていると、喉元に言葉が詰まる
そんな顔をアタシに向けてくれるのなら、もっと早くからこうしておけば良かった
思いあぐねて彼を凝視していると ── こちらと目が合う
「皆が居ないと二人きりだな」
「え」
「じっくり話せるから俺は嬉しいけど」
「嬉しいってどういうこと」
そう伝えようとすると、勢いよくガラス戸を引く音にまんまと掻き消されていった
「よーっす。もうやってるか?」
「お!前原早いな」
「駅前で何人か集めて来たぜ。俺、有能だろ?
・・・・・・あれ。なんか左右田怒ってない?」
「おう。別に怒ってないから後で一発蹴り入れさせろ」
「怒ってるじゃねぇか!」
「こんばんは〜!Aちゃん。今日はお願いします」
「あ!桃花ちゃん達こっち来な」
彼らの入店を皮切りに、一気に居酒屋が活気付いて来た
アタシは小脇にお品書きを挟んで大人数で掛けられる席に案内をする
「これメニューな。そんで箸とおしぼりは一人一組。基本的にアタシが動くから何かあったら言ってくれ」
「わ〜!ありがとう。26人分も一人で準備大変だったよね」
「どってことないって。悠馬も準備手伝ってくれたしさ」
そう言って踵を返すと、良い事を聞いたと言わんばかりに莉桜ちゃんが笑って立っていた
「何何〜。左右田ちゃん。あやつと二人で準備したの」
「・・・・・・あ」
嫌な冷や汗が頬を伝う
「い、いや。成り行きでそうなっただけだから!」
「ふ〜ん。あと、化粧に気合い入ってるのは私の気のせいかね?」
「は、はは。気のせいじゃねぇかな」
誤魔化して笑うことしか選択肢が残されておらず困り果てていると、誰かが頭上に肘を置いてきた
見上げると赤い悪魔が居る
「中村。こいつの握力舐めない方が良いよ。どうせ化粧する時に力加減狂ったんでしょ」
「お前はアタシ舐めない方が良いぞ。その握力でぶちのめされたいか?」
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しがない物書き(プロフ) - ゆあさん» 嬉しいご感想ありがとうございます!イケメン委員長がしっかりイケメン委員長していたようで良かったです✨️よろしければこの先もご覧くださると幸いです! (4月18日 12時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 磯貝くんのイケメン度が忠実に再現されてて、好きです。更新頑張ってください! (4月17日 23時) (レス) @page43 id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
しがない物書き(プロフ) - たにさん» コメント嬉しいです!!🤤 たに様のメッセージで筆が乗ります! (3月25日 18時) (レス) id: be0c646a52 (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月25日 13時) (レス) @page38 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しがない物書き | 作成日時:2023年12月20日 3時