会えると信じて ページ12
そして、ようやくたどりついた神楽坂。
俥の中で眠ったおかげか、目はぱっちりと冴えている。
さて、神楽坂にいる芽衣を会いにいかないとね。
A 「……まって、来たのはいいけどどこにいるの?」
しまった、芽衣の居場所を聞くのをすっかり忘れていた。
これじゃ、ふりだしに戻ったのと一緒だよ……。
肩を落としてトボトボ歩いていると、誰かとぶつかった。
A 「あ、すいませー……」
?? 「うわああああああ!! あああんたなにするんだよ! このグズッ!!」
A 「ご、ごめんなさいってば」
?? 「ばい菌がうつるだろ!? どうしてくれるのさっ」
A 「理不尽! 肩がぶつかっただけでばい菌はうつりません!」
泉 「うつるよ! ……ってあれ? あんた、たしか鹿鳴館にいたよね?」
A 「ろくめいかん?」
泉 「ほら! あんた、あの女がどこにいったか聞いてきただろ?」
A 「……あぁ! 覚えてますっ。あそこ、鹿鳴館だったんですね」
鹿鳴館といえば、明治時代の政府が外国人を呼ぶために建てた建物だよね。
教科書に載ってたけど、まさか本当に行くことになるとは。
A 「誰でしたっけ、あなた」
泉 「はぁ!? なんで僕が言わなきゃならなんだよ!」
A 「ならいいです」
泉 「……っ、泉鏡花だよ!」
A 「あー! 鏡花ちゃんって呼ばれてましたね!」
泉 「呼ぶなよ?」
A 「わかってます。ところで、2回目なんですけど芽衣がどこにいるか知ってますか?」
泉 「知ってる」
A 「本当ですか!? お、お願いします! 教えてくださいっ」
泉 「……ついてくれば」
泉さん優しい!
しかし、横に並ぶなと言われた。
まぁ、いいや。
泉さんの後をついていくこと数分。
ついたのは、まさかのお店だった。
えぇ? もしかして芽衣、売られちゃってたりして……。
泉 「なにボサッとしてるのさ! 早くきなよこのグズッ」
A 「え、あ、すいません」
泉 「まったく……」
泉さんが入っていくので、背中を追う。
もし、売られていたのならば、借金をしてまででも買ってみせる。
芽衣のためなら、私はきっとなんでもできる。
A 「……っ!!」
一つの部屋に入ると、目に飛び込んできた光景。
そこには、着物姿でお酒を運ぶ芽衣だった。
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回線弱者 - 全私が泣きました。すんばらしい作品をありがとう!!! (2022年9月19日 2時) (レス) @page49 id: eb5a8abbe9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - ヤバいです、すごい感動しすぎて涙が出てきます。そして、とても面白かったです!!この作品が読めてほんとに幸せです!ありがとうございます、これからの作品も頑張ってください!! (2016年3月23日 3時) (レス) id: e28c1496ea (このIDを非表示/違反報告)
優瀬(プロフ) - 猫柚さん» えっ、えっ……!!私なんかの作品でお役に立てたのなら本当に嬉しいです!!いえ、私なんか本当にまだまだです。もっと上手な描写ができればよいのですがね(汗)褒め殺し&心温まるコメント本当にありがとうございました! (2015年12月31日 22時) (レス) id: 11e52471f4 (このIDを非表示/違反報告)
優瀬(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます!!私なんかの拙い文章で少しで月夜様に感動していただけたのなら、私はもう大満足です。本当にありがとうございます^ ^ (2015年12月31日 22時) (レス) id: 11e52471f4 (このIDを非表示/違反報告)
猫柚(続き) - とても読むのが楽しかったです!とても感動する素晴らしいお話を作れるその才能に憧れます!最後になりましたが、このような素晴らしい作品を作ってくださり、本当に、本っ当に、ありがとうございました!これからも執筆活動頑張ってください、応援しております! (2015年12月30日 19時) (レス) id: 04feb784ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃあ | 作成日時:2015年9月5日 14時