見つけて【ONEPIECE】 (ページ7)

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大通りであるからもちろん行き交う人は多い。交通量もまずまずある。

まっすぐ前を向けば、背の高い建物が道を挟んで両側に立っているのが目に入る。

今の時間は特に、学校帰りにもなるこの時間は学生と、買い物に来たであろう親子が大きな割合を占めている。

その光景はいつもと変わらないことであり、どこでも目にするものである。特に休日は、おしゃれをしたかわいい女の子は増えるし、張り切っているのか緊張しているのかよくわからない男子は増えるし、ああ、つまり、リア充爆発しろっていう話なんだけど、え、ちがう？

長期休暇になればいろんな施設でイベントごとが行われるから、家族連れで来る人も多い。
今は何か特別なイベントが行われるような時期ではないが、こんな平日に、まあ、子供に興味を持ってもらうためだろう、うさぎの着ぐるみが子供たちに風船を配っていた。

ありがとう！と素直にお礼を言う無邪気な姿はみている方もつい顔が緩んでしまう。いや、決して、ロリコンではない。が、子供を見て笑う第三者を親が見たら、そう思われても仕方がないので、精一杯耐えるしかないのだけども。

中には、あの色がいいとか言って親を困らせている子もいたが、見ているこっちにとってはそんな姿もほのぼのとした空間に見える。

なんか、いいな

そんな親子のそばを通りすぎ、赤になった信号が変わるのを待つ。
あー早く青になれー、早く続きが読みたい
かさっと音を立てて、うっすらあいた袋から除く表紙に口を緩める

視線を前に戻し、ボケーっと赤く光る信号を眺めていたら、
ふと横から緑色の風船が前に飛んでいくのが見えた。

と同時に視界に入ったのは飛び出す子供の姿と勢いよく来る車

その行動に思考などなかった

本当に反射的に

人間こんなことができるのかと思うくらいに

無意識に子どもに向かってかけて出した

包み込んだ小さな温かさを必死に離さないときつく抱きしめたら

感じたことのない衝撃と浮遊感、一瞬の静寂があたり一面を包み込んだ

次に襲ってきたたたきつけられるような衝撃の後、聞こえたのは女性の叫びと、救急車を呼ぶ男の声、ざわざわとうるさくなる周囲だった。まだ、腕の中には温かさがある。
そっと目を開けると、力の入っていない男の子がいた。かろうじて動かせる片腕で首元にそっと振れれば、均等になる心拍音にひどく安心した。

よかった

途端に糸が切れるように私の意識は無くなった