毎日は誰かの誕生日で命日で。 (ページ3)

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桐山side

「んっ...」

お通夜が終わって、とうとう望との別れの日である葬式の日の朝を迎えた。

目を覚ますと、そこは男七人が寝るには少し手狭な畳の部屋。

「あっ...そっか」

朝独特のまだ夢と現実が微睡む世界で俺を一気に現実世界へと引き戻したのは、漂う線香の香りと白い棺、泣きたくなるほど満面の笑顔の望の遺影...そして誰かの泣き声？

「モンチ...どうしたん？」

泣いていたのは神ちゃん。

「ゔっ...グスッ...」

泣きじゃなきる神ちゃんを抱きしめて襖を隔てた隣の部屋に移動する。

「どうしたん？」

「起きたら皆まだ寝ててっ...グスッ...でものんちゃんはもう目覚めることないんやって思ったら、もしかしたら皆もこのまんま目覚まさんのかな？てっ...隣におったシゲ起こそうと思って体揺らしても起きひんし...怖くなって...ズッ...」

「そっか、大丈夫...大丈夫やからな？」

神ちゃんの言葉を聞いて俺も怖くなった。

いや、わかってる頭では。

望以外の四人は目を覚ますと。

でも、望やって生きていることが当たり前で生活していたある日突然目を覚まさなくなったんやから。

他の四人には申し訳ないけど、起こすことにした。

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