毎日は誰かの誕生日で命日で。 (ページ2)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:5,957 hit

◆002◆ ページ2

・

・

濵田side

あの日は通夜が終わって、六人と棺の中のあいつが居る部屋で雑魚寝した。

皆、深夜回っても全然寝れんくて...。

でも、最終的には泣き疲れて寝てしまった。

俺は皆が寝た後も、棺の前に座り込んでジッと望を見つめていた。

「死んだなんて嘘やんな？望」

語りかけたら、今にも目を開きそうで。

それくらい綺麗な顔で寝ていた。

(目を覚ますかもしれない、これは夢かもしれないってお前が死んだて聞かされてからずーっと俺思ってんねんで？こんなこと言ったら濵ちゃんアホやって言われそうやけど...本気で思ってるんよ。)

この姿が、明日には灰になってしまう。

現実逃避している自分と現実を無理やり噛まずに飲み込んで消化不良を起こしてる自分で板挟みの中でも、のんすけの姿を目に焼き付けときたかった。

まつげの一本一本や眉の上にあるホクロの位置まで。

俺のスマホには望の写真が山ほど沢山ある。

中には望が勝手に自撮りしとるやつとか、グループラインに送られてきた俺の自宅にピンポンダッシュしてきた動画とかあって。

けど、それでも忘れてしまいそうで怖かった。

望の声や笑顔、俺との身長差とかそんなことも全部全部。

「のぞむっ...」

人が死ぬこと。

それは生まれたものに必ず訪れる運命。

けど、いくらなんでも早すぎるって...神様。

望より、俺を連れてけばよかったのに。

・

・