見世物小屋 " TAMER " (ページ12)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:7,252 hit

◆012◆ ページ12

・

・

桐山さんが率先して前を歩いて、重岡さんと私はその後を追うように部屋を後にした。

「ちょっとさっきおったとこに戻らなあかんから、距離あるでー？て、あれ？小瀧」

「あぁ、、、。照史くん、シゲも」

「お前こんなとこでなにしてんの？」

小瀧と呼ばれたその人は、お風呂上がりのなのか下だけはいた格好で、頭にタオルと肩から先程まで中間さんが羽織っていたジャケットがかけられていて、私達が来た方向と逆の方をボーっと見つめていた。

「いや、お風呂上がって部屋戻ろうとしたらばったり淳太にあって、風邪ひくでってジャケットかけられてんけどさ、、、なんかあったん？」

「あー、、、まぁ色々あってな笑そうや、お前の部屋行こうと思っててん」

「ちょうどよかったわ笑」

「あ、そうなん？」

桐山さんと重岡さんと話していた小瀧さんは、そこまで話すと二人の影に隠れていた私の方をチラッとみて、「ちょ、みんといて！」とジャケットで体を隠した。

「え、、、あ、はい！」

言い忘れてたけど、ここにいる人中間さんも含めて背が高い。。。

「あっははははは笑お前早よ服きてこい！」

「なに急に恥ずかしがってんねん笑」

てっきり私は、ジャケットの隙間から見えた"その異色な肌"を見られたくなくて言われたのかと思ってたけど、そうじゃなかったみたい。

小瀧さんは、くるっと踵を返して自分の部屋に向かいながら「もう！いややわ旦那にも見せとらんのにー」と言いながら部屋のある方に向かっていった。

「な？変なやつやろ？笑」

重岡さんが、私の方を振り返ってそう言って笑う。

「まぁ、それがあいつのええとこなんやけどな？」と桐山さんも笑った。

私も彼らも同じ奇形人なはずなのに、彼らはそれを感じさせない。

それが私と彼らの違いで、それが私はとても羨ましかった。

・

・