第八話 加州と安定の秘策 ページ10
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会議と言う名の集まりが終わった後、主に呼び出された私はミルクやおむつ替え以外にもいろいろな仕方を教わった。
あやし方や、お風呂の入れ方などだ。
夜泣きもするそうだから、短刀たちはゆっくり寝せてあげられないかも知れない。
と、主は心配しながら話した。
「ボクは夜泣きしても文句言わない」
「それが赤子の本分であるなら、僕はなにも言いません」
「乱……前田……」
「まぁまぁ、粟田口は本当にいい子達ばかりね。じゃあ、明日からお願いしてもいいかしら?」
「畏まりました。しかし、べびーべっどを部屋まで運ぶのは大変では?」
「一期の側で添い寝させて。
きっとAもその方が安心してゆっくり眠れると思うし、夜泣きしても直ぐにあやせるでしょう?」
「そう、ですね」
「じゃあ、お願い。おやすみなさいね」
「おやすみなさい主君」
「おやすみなさい主様」
─────そして翌日。
「はい。今日1日よろしくね」
主からA殿を預かる。
昨日あまりよく見ていなかった短刀たちは興味津々といったところ。自分よりも小さな存在に、触れてみたいのだろう。そっと優しく触れている。
「……で、お二人はどうしてここに?」
襖に張り付く内番服姿の加州殿と安定殿。……そう言えば、この二人は誰とも組もうとはしなかったような。
もしかして、我々と一緒に面倒を見る気でしょうか?
「いや、俺達新撰組の刀と組もうと思ったんだけどさー。みんな刀派ごとで組んじゃったからどうしようって、考えたんだ。
……で、結果、刀派の補佐的な感じで毎日面倒見たらいいんじゃないかと思って」
「……僕は無理矢理付き合われてね」
「何言ってんの? お前も刀派なくて悔しがってたくせにー。本当は赤ちゃん抱いてみたいんだろ」
「なっ!? ち、違う!!」
「へー。じゃあ、安定には抱っこさせてあげない。一期、俺にも抱っこさせて」
「ま、待てよ。抱っこしないとは言ってないだろ」
その内、二人の話し合いが喧嘩味を帯びてくる。この二人は本当に同じ主に遣えていたのですかな。
いや、喧嘩するほど仲がいいとは言いますが……。
「お二人とも、喧嘩は止めてください。それでは加州殿、A殿をお願い致します」
「はーい」
「いち兄どこ行くの?」
「ミルクを作ってきます。皆は顔を洗っておいで」
「りょーかーい!」
そうして駆けていく短刀たち。
やれやれ、先が思いやられますな。
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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます! 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います! 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません! 喉は大丈夫ですか? リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます!(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華骸 | 作成日時:2016年4月6日 20時