第五話 ミルクと笑顔 ページ7
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厨に着いた。
抱っこを長谷部殿に任せた主はてきぱきと湯を沸かす準備をする。
水温計を入れながら、鍋に火をかけた。
「大体70度くらいまでね。歌仙、ちょっと見ていてくれる?」
「ああ」
その後は粉末を入れて、お湯を注ぐ。
蓋をして混ぜたら湯冷ましの水をいれ、更に哺乳瓶の外側から水で冷ます。
腕の内側にミルクを垂らし、やや熱いと感じるくらいまで。と、説明を受け、ミルクは出来上がりだそうだ。
「じゃあ、一期。あげてくれる?」
「私、ですか?」
「ええ。さっきのを取り返さなきゃ」
「承知しました」
「座ってあげてね」
長谷部殿からA殿を預かる。
主に言われるままに哺乳瓶を口に含ませると、よほどお腹が空いていたのか、こくりこくりと飲み始める。一生懸命に飲む姿が何とも愛おしい。
ものの、5分足らずで飲み終えてしまった。
「一期。次はげっぷよ」
肩に手を置かせるように抱き上げ、背中をそっと叩いてやると小さな
「うん、可愛らしいね」
「いち兄いいなぁー」
「乱にもお願いするからね」
「ボク楽しみにしてるー」
「ふふ」
「いち兄?」
「あー。あー、だーうー」
手足を動かし必死に話しているように見える。きょとん、としたような表情で口を動かしている。
……と。
「きゃは」
「!」
「わら、った……?」
「ふふ。一期にご飯もらってすっかりご機嫌なのね」
なんと。
A殿の笑顔はまるで花がぱっと咲いたように明るい。子どもの笑顔はこんなにも輝いているのか。
「ミルクも飲んだし、そろそろ眠るようになるわ。一期、もう少しだけ抱っこしていてくれる?」
「畏まりました」
「可愛いね」
「しかし、見てごらん。目がとろんとしてきている。眠いようだ」
「この子には、幸せをみて欲しいわね」
主のその言葉がかかる。
さながらそれは子守唄か。A殿はたちまち小さな寝息をたて始めた。
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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます! 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います! 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません! 喉は大丈夫ですか? リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます!(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華骸 | 作成日時:2016年4月6日 20時