検索窓
今日:22 hit、昨日:25 hit、合計:814,229 hit

第五話 ミルクと笑顔 ページ7

.


厨に着いた。

抱っこを長谷部殿に任せた主はてきぱきと湯を沸かす準備をする。
水温計を入れながら、鍋に火をかけた。


「大体70度くらいまでね。歌仙、ちょっと見ていてくれる?」


「ああ」


その後は粉末を入れて、お湯を注ぐ。
蓋をして混ぜたら湯冷ましの水をいれ、更に哺乳瓶の外側から水で冷ます。
腕の内側にミルクを垂らし、やや熱いと感じるくらいまで。と、説明を受け、ミルクは出来上がりだそうだ。


「じゃあ、一期。あげてくれる?」

「私、ですか?」

「ええ。さっきのを取り返さなきゃ」

「承知しました」

「座ってあげてね」



長谷部殿からA殿を預かる。

主に言われるままに哺乳瓶を口に含ませると、よほどお腹が空いていたのか、こくりこくりと飲み始める。一生懸命に飲む姿が何とも愛おしい。


ものの、5分足らずで飲み終えてしまった。


「一期。次はげっぷよ」


肩に手を置かせるように抱き上げ、背中をそっと叩いてやると小さな噫気(あいき)の音がした。


「うん、可愛らしいね」

「いち兄いいなぁー」

「乱にもお願いするからね」

「ボク楽しみにしてるー」




「ふふ」

「いち兄?」

「あー。あー、だーうー」



手足を動かし必死に話しているように見える。きょとん、としたような表情で口を動かしている。

……と。





「きゃは」




「!」




「わら、った……?」


「ふふ。一期にご飯もらってすっかりご機嫌なのね」



なんと。
A殿の笑顔はまるで花がぱっと咲いたように明るい。子どもの笑顔はこんなにも輝いているのか。


「ミルクも飲んだし、そろそろ眠るようになるわ。一期、もう少しだけ抱っこしていてくれる?」


「畏まりました」


「可愛いね」


「しかし、見てごらん。目がとろんとしてきている。眠いようだ」


「この子には、幸せをみて欲しいわね」


主のその言葉がかかる。
さながらそれは子守唄か。A殿はたちまち小さな寝息をたて始めた。

第六話 世話当番→←第四話 抱っこ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (361 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
878人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます! 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います! 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません! 喉は大丈夫ですか? リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます!(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:華骸 | 作成日時:2016年4月6日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。