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間幕 あの日は桜が咲いていた ページ49

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寝室を開けると、Aがベビーベッドの上で泣いていた。


しかし、その左半身は黒い靄に包まれている。私はすぐに察した。霊力が高い人間には悪霊の類が寄ってきやすいのだ。年齢と共に低級の悪霊なら身体に害はなくなるが、Aはまだ赤ん坊。一刻も早く祓わなければやがては死んでしまう。


私は手をかざし、一先ず浄霊した。かなり小さな霊だったから簡単に浄霊できたのだ。


落ち着いたAをそのままに、私は部屋の真ん中で小さくなっている娘、美紀に声をかけた。



「美紀……」



膝を抱え、何かをぶつぶつと呟いている。肩を揺らしても、声をかけてもまるで反応しなくて。



あの子を崩壊させてしまったのは私。全部、何もしてあげられなかった私のせい。


初めての出産で、何も知らないで、本当は私に頼りたかったはずなのに。あまつさえ、霊に憑かれて。きっとその時からAが恐ろしく感じてしまったのだと思う。


夫の博則(ひろのり)さんは、美紀を更正させようと必死に働いて過労で倒れてしまったらしい。


私はAを一時的に預かるということで美紀を病院に連れていった。長期の入院が必要らしい。今まで貯めてきた貯金を切り崩してそれを入院費にあてることにした。


部屋で点滴を打たれながら眠る美紀は酷く痛々しい。

ベッドの側に写真を置いた。家族三人の写真だ。いつか美妃がきちんと正気に戻ったときAを忘れないようにするためにも。


「ごめんね……」


そして、私はAを抱いて本丸に戻ってきた。





私は、怖い。


霊力が高いゆえにAが大事に巻き込まれるのが。


私は、怖い。

美妃がAを忘れないかが。むしろこのまま正気が戻らないかもしれない。博則さんだって悲しんでいる。


私は、怖い。


全てを置いて死んでいくのが。




「主。お茶が入りました」


「ありがとう」




私は、怖い。


この本丸が奇襲されるのが。




────『【通知】歴史修正主義者による備前国本丸襲撃について』



そんな資料を他の刀剣に見られないように、自分の不安を蹴散らすかのように握りつぶした。




─────────
意味がわからないシリアスですね(´・ω・`)
明日には多分続編にいくと思います。

作者から→←間幕 あの日は桜が咲いていた



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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます! 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います! 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません! 喉は大丈夫ですか? リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます!(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華骸 | 作成日時:2016年4月6日 20時

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