第三十五話 熱の時は ページ37
【歌仙兼定side】
その日は朝からAが泣き止まなかった。おむつでも、ミルクでもない。いくらあやしても泣き続けた。
「うえぇぇぇん！」
「一体どうしたんだろうね」
「歌仙、ちょっといい？」
「主」
主はAを少し抱くと納得したように頷いた。
「熱があるわ」
赤子の体温は高い。その為に僕は熱やら風邪という考えがなかったのだ。全く考えが甘い。
熱ならば辛いだろうし、泣きたいのも分かる。
「主、僕はどうすればいい？」
「とりあえずは様子を見ましょう。熱が上がるようなら処置をするわ」
「分かったよ。じゃあ、僕が様子を看るとしよう」
「……ごめんなさい。本当は私が看るべきなのに。今日までの書類が終わらなくて……」
「いいんだ。主は毎日がんばっているからね。僕は世話を見るのは好きだから、気にしないでくれ」
「ありがとう」
Aを小さな布団に寝かせ、泣き止むのを待つ。
主はもう一度謝ってから部屋を後にした。主は執務に追われている。最近は歴史修正主義者の動きが活発になっているからと、資料に追われているらしい。
宗三くんに料理当番を代わってもらう。彼は快く引き受けてくれた。てっきり、何か小言を言われるかと思ったけれど、彼は意外と家庭的な仕事が好きらしいね。
それもまぁ、畑当番よりはましか。
「ほら、大丈夫だよ」
優しく語り掛ながら、あやす。
「あー……」
そうしていくと、大声で泣くことはなくなった。一安心かな、なんて思いながら頭を撫でていると何やら廊下がドタドタと煩くなってくる。
あ、嫌な予感が……
「Aが熱だしたって!?」
「今いくぞ！！」
「はいはーい！ 俺が看病します！」
「兄弟落ち着け」
「蜂須賀兄ちゃん！ 心配だから様子みよう！」
「浦島、廊下を走ってはいけないだろう」
「いち兄はやく！」
「乱！ あまり走っては……！」
「風邪なら俺が薬作るぜ」
「病気治癒がお望みかな」
はぁ、と僕は溜め息を吐いた。また面倒なことになることを予想したからだ。
────────
加州とおじいちゃんはもはやレギュラー出演ですね。あとはセコムの皆さん(ノ´∀｀*)
お気に入り６００人、評価１８０超えていてびっくりしました！ ありがとうございます！！
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華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます！ 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います！ 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません！ 喉は大丈夫ですか？ リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます！(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華骸 | 作成日時：2016年4月6日 20時
