第二十九話 お願い ページ31
.
「僕からもお願いします、主さん」
「堀川……」
「皆でやった方が団結力もあがると思うし、これで沢山の愛情がAちゃんに与えられるとも思っています」
「あたしも賛成だねぇ。
最近は自分でも驚くほどに呑んじまうからさ。子育てがあるなら少しは自重するよ」
「主さん！ お願いー！ 俺も早く兄ちゃんたちと世話したいよ！」
「僕からもお願い……」
「次郎、浦島、小夜まで」
「なぁ、ダメなのか？」
皆が一斉に瞳を潤ませる。泣き落とし作戦のようだ。主は渋るが僕は知っている。主は泣きに弱いと。更にそれが短刀や脇差ならば断りづらいだろう。
「お前たち、あまり主を困らせては……」
「長谷部、大丈夫よ」
「っですが……」
「皆がそう言ってくれて嬉しいわ。
でも、遠征や出陣は？ もしかしたらミルクやおむつ替えも誰がやったか分からなくなるかもしれない。気づいたら誰か一人が毎日世話している、なんてことも考えられる。
皆でやれば、効率も上がる一方で非効率なことも出てくるでしょう。
もっとよく考えてみて。刀派ごとの方が間違いないと思わない？」
主のことは最もであり、誰も言葉を返せない。静まる部屋のなかで主の言葉だけが僕たちの鼓膜を揺らし続ける。
小夜くんや、愛染くん。頼んだ蛍丸くんは今にも泣き出してしまいそうだ。
「それでも……」
「主……？」
「貴方たちでしっかりやれると言うのなら私は皆に頼みたい。
私からのお願い。
皆で協力して、Aの世話をお願いします」
「あ、あるじぃ……」
「主……」
「うんうん！ 俺達頑張るよ！」
「俺も頑張るぞ」
「え、えぇ。三日月もお願いね」
ふふと微笑む主。やっぱり優しいんだ。
浦島くんや蛍丸くんと三日月さんが主に抱きついた。藤色の着物にこれでもかと抱きつき、嬉し涙を流している。一人だけおかしいけれど嬉しいならいいかな……。
あ、僕も涙が……
「それじゃあ、皆にも報告しましょう。大広間に集まってくれる？
長谷部、残りの皆を広間に集めてほしいの」
「主命とあらば」
そう言った長谷部くんは持ち前の機動力で本丸内を走っていった。
──────────
お気に入り５００人突破！
ありがとうございます( ；∀；)
ちなみに、蛍が頼んだときの明石の心情……
(蛍かわいいっ！)とかだったら嬉しい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 878人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます！ 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います！ 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません！ 喉は大丈夫ですか？ リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます！(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華骸 | 作成日時：2016年4月6日 20時
