第二十六話 爺は奇跡を呼ぶ ページ28
.
「ははは……さぁ、Aや。おいで」
「……ぅー？」
「俺のもとに……」
「ぅう、うぇぇぇえん！」
「！ ……そうかそうか、大倶利伽羅に酷いことされたんだな。どれ、俺にAを」
「いや、確実に自分でしょ！？」
「くりちゃん、預けちゃダメだからね」
「むしろそのまま抱っこしてて！」
「って、鶴さん！ 陰で鼻眼鏡かけない！」
「なっ！ ば、ばれてしまったか。
仕方ない……わっ！」
「いや、誰がびっくりするの！」
ぎゃいぎゃいとまたもや煩くなる部屋。
そんな中で三日月さんを介抱する(訳：押さえつける)沖田組の二人。
くりちゃんはいつもの無表情な顔でAちゃんを護っており、鶴さんはバレていても驚かすと言う迷惑行為をする。
もう……そんなので泣き止むわけが……
「……だ、きゃはは！」
「な、泣き止んだ……？」
「じじぃが奇跡呼んだよ……」
「え、嘘でしょ？」
「笑った顔も可愛いなぁ」
「うん。笑った顔も雅だね」
「そうだね……って歌仙くん！」
いつ来たの？ と尋ねれば、今だよ。と返ってくる。実は朝餉ができたから呼びに来てくれたのだが部屋がうるさいので怒ろうとしたところ、Aちゃんが笑ったので見ていたのだそうだ。
「それより、早くミルクをあげた方がいいんじゃないかい？ 大体この時間だろう？」
いつも厨房にいる為か歌仙くんはミルクを作る時間を覚えていた。
「そうだね」
ならば、僕たちが朝餉を食べている間にあげようと立ち上がった僕の前に差し出されたのは温かいミルク。
「Aがかわいそうなものでね。誰も来なかったから予習がてら作ってきたよ」
「あ、ありがとう！」
「わー、さすが歌仙だねー」
「すごいすごいー」
「きゃー、歌仙さまー」
「君たちは何なんだい？」
加州くん、安定くん、鶴さんが棒読みで言った言葉に対して青筋を浮かべた歌仙くんは鶴さんの服を掴んで
にっこり、
黒い笑みを浮かべた。
「いやぁ、すまんすまん！ 歌仙は気が利くなぁ。……ほら、泣き出したぞ」
「今日Aよく泣くね」
「いる人達がこんなんだからでしょ」
そんな会話を聞きつつ、くりちゃんにミルクを頼んだ。
ミルクをあげたくりちゃんはしばらくAちゃんを離そうとはせず眠りにつくまで、抱っこしたままだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 878人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華骸(プロフ) - 彼岸さん» ご指摘ありがとうございます！ 勉強不足でした、すみません……。これから書き直してきたいと思います！ 期待に応えられるような作品に近づけられるよう頑張ります(o゜◇゜)ゝ (2016年5月15日 15時) (
レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - 三日月ほとんどあなやしか言ってないじゃないですか。もう少し頑張ってください (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸 - あなやの使い方間違ってるよ (2016年5月15日 1時) (レス) id: 1299317818 (このIDを非表示/違反報告)
華骸(プロフ) - kotoさん» 返信おくれてすみません！ 喉は大丈夫ですか？ リクエストして貰えたのが嬉しくて直ぐ様書きました(笑)喜んでいただけたなら幸いです(о´∀`о) (2016年5月9日 19時) (レス) id: 31ae3f7e34 (このIDを非表示/違反報告)
koto(プロフ) - 夜中(※丑三つ刻)に布団の中で続き読んでたら声にならない声で叫んでました。(ひぃ、喉痛い。)リクエストにこんなに早く対応して頂けるとは……ありがとうございます！(*´∀`*) (2016年5月9日 2時) (レス) id: cd7f3fd207 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華骸 | 作成日時：2016年4月6日 20時
