君 と 宇 宙 規 模 の 恋 を し た い yt&in

01:Strange encounter ページ1

yt side









「....はぁ、つかれた。」





上司からは雑用として、こき使われ、



営業に行っては、怒鳴られ。



新入社員として、張り切っていた自分はどこにいってしまったんだろう。




なかなか営業成績も残すことができず、終いには裏で




「中島さんって、顔もかっこいいし、真面目なんだけど....なんか...ね。」




なんて言われる始末。




あれを聞いた時は、地味にショックを受けたのを覚えている。





ずっと前から俺の立ち位置はそんなもんだった。





「顔はかっこいいけど、真面目すぎ。」



「友達とかいなさそう....」





人見知りでなかなか人と喋ることができなかった俺は、一人、机に向かって勉強することしかできず、




いつのまにか、俺のイメージは「真面目」になっていた。



どこにいっても、この「真面目」という言葉がつきまとってくるのだ。




それは、中学生になっても、高校生になっても変わらなかった。




だから俺は、「恋」だとか「青春」なんていうものは一切経験したことがなくて、


ましてや「一目惚れ」なんていうものは、俺にはあり得ないと思っていた。






ほんの数秒前までは。









“ピンポーン ピンポン ピンポン ピンポーン”



けたたましく鳴るチャイム音。



「はーい！！」



大声でそう言っているハズなのになかなかその音は鳴り止もうとしない。



何か事件でもあったのか？と、心配になり重い体を
せっせと起こし勢いよくドアを開けると




「...あ、っと...隣に引っ越して来ました。伊野尾です。これ、面白いですね。」




月の光に照らされて光る銀色の髪、白い肌、淡く赤色に染まっている唇、


思わずキスしてしまいそうなその距離に、心臓が激しく動いた。



インターフォンを指さしながら、面白い、と微笑む姿はとても魅力的で。



この人をもっと知りたいとさえ思ってしまった。



「....つまらないものですが、、俺、すっごくこれ好きで、、、」



思わずこの中性的な見た目から、女性かと勘違いしたが、「俺」という言葉からして、その可能性は低そうだ。



「それじゃあ、おやすみなさい。」




俺は、バタン と音を立てて閉まったドアをただ呆然と見ることしかできなかった。








不思議なお隣さんの彼が連れてきたのは、



今まで経験したことのない



胸の高まりと、彼が残したグレープフルーツの香りでした。









01:不思議な出会い

02:The first teaser from his→

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