第七章 天泣。 ページ37
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あのあとは手を握りながら、二人で駅まで帰った。
夢を見ているんじゃないか。
何回思った台詞だろう。
先生の冷たい手が、俺の手で温かくなっていくことを実感するあの瞬間。
何だかふわふわして、心が温かくなっていって。
沈黙の時間も決して気まずくなく、隣に先生がいる状況を噛み締めるにはちょうど良かった。
「.....じゃあ、またね」
「....はい」
寂しさを知らんぷりして発するお別れの合図。
そこかしこのバカップルなんかじゃない、静かな別れ。
でも、ちょっとまって。
「.....先生、俺と...付き合ってください」
はっ、とした顔をして、涙を目に溜める先生。
うん、とか細い声で答えて、ほっ、と安心した。
先生は信じてくれたんだ。
俺のことを。
普通に生きていれば、通るはずのない道。
教師と生徒の恋。
そして、男同士の恋。
まだ浸透しているとは言えない同性愛。
厳しい目や辛辣な言葉を並べる人も少なからずいるだろう。
そんな危険しか待ち受けていないこのトゲだらけの道を、先生は俺と進もうとしてくれている。
先生の長い前髪をさっと横に流せば、大きくてまぁるい瞳。
「.....先生、好き。」
にっこり微笑んだあと、白くてもちもちした頬をふくらませた先生。
「.....先生呼び、禁止」
拗ねたようにそっぽを向く先生の首は真っ赤に染まっている。
「.....慧、好き」
さすがに唇にできるほど、まだまだ余裕がなかったので前髪の上にキスを一つ。
分かってる、自分がチキンだってことくらい。
しょうがないじゃないか。
甘い雰囲気に耐えられず、じゃあまた月曜日に！なんて言って駅の中に逃げた自分。
耳まで熱くなっているのがわかる。
思わず駅のホームに寄りかかれば、先生の甘い匂いと未だに残る手の感覚にまた顔が赤くなる。
落ち着くために、自販機で買ったコーラを勢いよく飲んだ。
炭酸が強すぎて、喉が痛い。
でも、それすらも愛しく思えてしまうのだからもう先生の力は魔法なんじゃないか。
もしかしたら、魔法使いだったりして。
ほうきにまたがって、猫としゃべる先生を妄想したら案外その可能性も否定できないなと思った。
これ以上ない幸せ。
しっかり、ゆっくり、噛み締めるように駅の階段を登った。
☂更新遅れてしまい本当にすみませんでした！！
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konokuro(プロフ) - あひる☆さん» 1を最後まで読んで頂きありがとうございました^ - ^ 2も楽しみにしてくださいな！ (2020年3月15日 21時) (
レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - konokuroさん» 移行に行こう〜〜〜♪わーわー。。どきどきっ。。 (2020年3月15日 14時) (レス) id: 15b8e56e15 (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» あひるん！！！コメントありがとうございます^ - ^ そんなこと言っていただけるなんて....！！ こちらも早め早めの投稿を心がけます！^ - ^ (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - うさこさん» こんばんは。今回もお待たせいたしました...m(_ _)m そう思っていただけて嬉しいです^ - ^ そうなんです！複雑な感情と天気雨をかけてみました笑 晴れなの？雨なの？どっちなんだい！笑 (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - 複雑な心情を読ませていただきました〜〜♪はぁぁー・・よい！よいなぁ〜〜。ちねさんのきもちっ！！またまた楽しみにまっとりますぅ〜〜♪ (2020年2月28日 18時) (レス) id: f52dbdb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：konokuro | 作成日時：2019年6月22日 23時
