すっぴん。 ym&in

ぽつぽつ。 ページ4

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「...はぁ、怠い。」

山田、絶賛、風邪引いてます。


昨日の雨のせいか、鼻水と咳が止まらない。
しかも、また今日も雨が降っている。

あ、そういえば今日伊野尾先生の授業だったや。

先生は風邪引いてないといいけどな。

そんな先生にとってはどうでもいいであろう心配をしながら、学校へ向かっていった。


。



1校時、2校時が終わり、いよいよ伊野尾先生の授業。
なんで、自分でもこんなに緊張しているのか、
なんで、こんなにも授業が待ち遠しいのか分からなかった。

風邪のせいで重い頭で考えるのは、やめとしよう。

3校時目のチャイムが鳴った。


。


伊野尾先生の授業は分かりやすく、的確で実験もこれ以上ないくらいスムーズに進めることができた。

井ノ原先生の授業は面白くて、確かに授業は楽しかったが、伊野尾先生の授業も決して劣ってはいなかった。

相変わらず小さい声で話すという所は直っておらず少し聞き取りにくいところはあったが。

理科を心配する必要はなさそうだ、と思っていたら、先生に「山田くん」と名前を呼ばれた。

「はい」と先生の方を振り返ると、

「..放課後、理科室1へ来てください。」
とだけ、言って、どこかへ行ってしまった。

もしかしたら、傘のことかもしれない。

いや、なんか俺先生にしたっけ？

色んな憶測が脳内で飛び交ったが、またもや怠さのせいにして考えることを放棄した。


。


昼休憩も終わり、あっという間に放課後。

知念達に昨日のことも含めて話すと、

ニヤニヤされて、「へぇー」とだけ言われた。

勿論、あの変に心臓の奥でなった感覚のことも。

ほとんどが昨日の話の流れになり、質問攻めされすっかり骨抜き状態にされたおかげで、今日何の用件で呼び出されたのかという肝心な話ができなかった。


社会のテキストが終わっておらず、伊野尾先生に「少し遅れます」と一言だけ言って、社会のテキストを終わらせてから、理科室へ向かうことにした。

社会の相葉先生は、井ノ原先生に次いで俺の大好きな先生である。
だが、提出物や課題には人一倍厳しくてその日までに出さないと評価が下がってしまうのだ。

テキストを提出し、理科室へ向かうと、机にうつ伏せになっている先生の姿があった。

いきなり起こすのも気が引けたので、ゆっくり先生の元へ近づいていった。

呼びかけようと思ったその時、腕と髪の隙間から先生の顔が少しだけ見えることに気づいた。

多分数分だろう。先生がぱっと顔を上げた。

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