ぽつぽつ。 ページ3
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昼休憩、またいつものように知念と裕翔が教室に来た。
今日の話題は、井ノ原先生...ではなく勿論伊野尾先生についてだ。
「あのさ、山ちゃん、伊野尾先生？だっけ、なんか想像してた先生じゃなかったね」
「うん。なんか、俺が苦手なタイプかな...もうなんか不安しかないっていうか..」
「まぁまぁ、涼介。先生が全てじゃないんだし！大丈夫だって！」
「...そうだけどさ..理科も伊野尾先生が担当なんだろ？大丈夫かな...？」
「..井ノ原先生は面白く授業してくれたもんね..」
そんな話をしていたら、昼休憩終了のチャイムが鳴った。
あぁ、弁当ちょっとしか食べれなかったや。
。
今日は理科はなかったが、明日はいよいよ伊野尾先生の授業の日。なんか、分かんないけど余計に緊張する。
教室では早速、井ノ原先生ロスが広まりつつあるようだ。
今日も昨日と同じく、帰りは雨。
今日は傘をちゃんと持ってきたから、濡れる心配はないけど。
帰り際、最近話すようになった友達と喋っていたので少し帰りが遅くなってしまった。
学校の正門を出て、家へ向かっていると、目の前に身に覚えのある後ろ姿があった。
きっと傘を忘れたのだろう。
この大雨の中、傘を差していなかった。
俺の記憶が間違っていなければ、
少し猫背で歩くその人は..
伊野尾先生のはずだ。
誰かが、困っている状況を見かけると放っておけないのが俺の性格。
それが、俺の学校の「先生」だったとしても。
更に、あまり好きでは「ない」人だったとしても。
少し小走りで、伊野尾先生のもとへ向かう。
少し俯きながら歩くその姿は、情けなく見えてやっぱり俺は好きになれなかった。
「....伊野尾先生？傘、ないんですよね。俺、こっから家近いんで、この傘使って下さい。」
俺の少々一方的な発言に、下を向いていた先生が俺の方を見た。
雨で濡れた黒い髪、近くで見るとより分かる白い肌、黒く澄んでいる瞳。
どくっ。
心臓が一瞬、変な音を立てた。
その感覚に驚いて、思わず目を逸らした。
「...明日、返してくれればいいので..さようなら！」
今まで感じたことのない感覚に、怖さを覚え、無理やり先生に傘を押し付けた。
少し触れた指先は、冷たく、雨に打たれ始めてから時間が経っていることを更に強調させた。
ほんの数秒だったはずなのに、とてもその瞬間が長く感じた。
俺と先生の空間だけ、時が止まったように。
結局、俺は今日もびしょ濡れになりながら家へ帰った。
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konokuro(プロフ) - あひる☆さん» 1を最後まで読んで頂きありがとうございました^ - ^ 2も楽しみにしてくださいな！ (2020年3月15日 21時) (
レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - konokuroさん» 移行に行こう〜〜〜♪わーわー。。どきどきっ。。 (2020年3月15日 14時) (レス) id: 15b8e56e15 (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» あひるん！！！コメントありがとうございます^ - ^ そんなこと言っていただけるなんて....！！ こちらも早め早めの投稿を心がけます！^ - ^ (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - うさこさん» こんばんは。今回もお待たせいたしました...m(_ _)m そう思っていただけて嬉しいです^ - ^ そうなんです！複雑な感情と天気雨をかけてみました笑 晴れなの？雨なの？どっちなんだい！笑 (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - 複雑な心情を読ませていただきました〜〜♪はぁぁー・・よい！よいなぁ〜〜。ちねさんのきもちっ！！またまた楽しみにまっとりますぅ〜〜♪ (2020年2月28日 18時) (レス) id: f52dbdb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：konokuro | 作成日時：2019年6月22日 23時
