第一章 青葉雨 。 ページ1
ym side.
真夏のように暑かった5月も終わり、
雨が降り始めてきた6月の初め。
特にこれといって変わったこともなく、
良く言えば、平和。
悪く言えば、面白みがない日々を過ごす毎日。
学校へ向かう途中に通る桜並木の桜が満開に咲き誇っていた4月は、これから始まる高校生活にわくわくしていたというのに。
現実は、そう上手くいかないみたいだ。
中学の時には、笑ってくれたネタも
高校では、通じないし、遅刻した時なんかは地獄のように冷めきった視線が送られる。
でも、そんな俺にも友達はいるわけで。
中学の同級生だった、知念
高校で仲良くなった、裕翔
この二人は、高校の中でも結構仲がいいほうだ。
だが、そんな二人は俺とは違うB組に行ってしまい、昼休憩でしか話せないというなんとも言えない運の悪さ。
思わず、ため息をつくとホームルームのチャイムが鳴った。
このA組の担任でもあり、理科を担当する井ノ原先生がいつもの明るい元気な声で、教室に入ってきた。
「はい、皆んな、おはよう！今日も元気に一日頑張っていこうな！ここで、先生から重要な話がある。家庭の事情で、青森に異動することになった。ちょっと、先生のお父さんが病気でね...1ヶ月しか皆と過ごせなかったことを残念に思う。明日から、代わりの新しい先生が来るから宜しく」
突然の発表に、教室がざわつく。
勿論、俺もその中の一人だった。
井ノ原先生は、俺のボケに唯一笑ってくれる接しやすい先生だった。慣れない高校生活を支えてくれたのも先生だ。
異動、その変えられない事実が重くのしかかった。
.
4校時目が終わり、昼休憩になった。
知念と裕翔が教室のドアのところで、俺を待っている。
急いで、準備をして知念達のほうへ向かった。
いつもの指定場所の屋上に行き、弁当を食べ始めた。話題は、自然に井ノ原先生の話になった。
「...なぁなぁ、井ノ原先生が、明日から青森に行っちゃうらしいんだよ。新しい先生が代わりに来るって言ってたけど、なんか不安でさぁ。
井ノ原先生、いい先生だったし。」
「確かにね...涼介、イノッチ先生にばんばんボケ披露してたしね」
「...もう、井ノ原先生の理科の授業受けられないのか....嫌いな理科も好きになりそうだったのに...山ちゃんもでしょ？」
「...あぁ。ちょっとショックだよな」
突然、ぽつぽつと、雨が屋上のコンクリートを濡らしていく。
俺達は急いで校内に入った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» 1を最後まで読んで頂きありがとうございました^ - ^ 2も楽しみにしてくださいな！ (2020年3月15日 21時) (
レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - konokuroさん» 移行に行こう〜〜〜♪わーわー。。どきどきっ。。 (2020年3月15日 14時) (レス) id: 15b8e56e15 (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» あひるん！！！コメントありがとうございます^ - ^ そんなこと言っていただけるなんて....！！ こちらも早め早めの投稿を心がけます！^ - ^ (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - うさこさん» こんばんは。今回もお待たせいたしました...m(_ _)m そう思っていただけて嬉しいです^ - ^ そうなんです！複雑な感情と天気雨をかけてみました笑 晴れなの？雨なの？どっちなんだい！笑 (2020年2月29日 1時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - 複雑な心情を読ませていただきました〜〜♪はぁぁー・・よい！よいなぁ〜〜。ちねさんのきもちっ！！またまた楽しみにまっとりますぅ〜〜♪ (2020年2月28日 18時) (レス) id: f52dbdb7e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：konokuro | 作成日時：2019年6月22日 23時
