カンパニュラ

まさか ページ8

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「…あの、お名前教えていただけますか？」


蘭が何かを決心したかのような顔で聞いてきた。

名前…か。


「…黒宮 奏羽と言います。よろしくね？」


私が名乗ったら悲しそうな顔をした三人。
どうかしたの？と声をかけると慌てて明るく振る舞う。


「いや、あの、私の姉に似ていて…
って言ってももう6年近く会ってないのでわからないんですけど…
なんとなく、姉に似ているなって…」


びっくりした。
ベル姉にも言われたけど私の容姿は結構変わったし、雰囲気だって全然違う。

ごめんなさい！と言って席に戻った三人。

…あのコナンくんって子は私のことを知っているかのような…

ジンが前に好奇心旺盛の坊主に薬を飲ませた。
探偵気取りのやつだった。って言ってた。

その時はそうなんだと言って受け流してたけど…

ジンが飲ませたという薬を前調べたことがある…

その中で幼児化したのがある、と言うのがわかった。


…まさか新一くん…

いや、そんなわけないよね。


そんなことを考えていると零さんがハムサンドを持ってきてくれた。
ブラックコーヒーと一緒に。

…私コーヒー好きなこと覚えててくれたんだ。

ってか零さんのハムサンド久しぶりに食べるな…


「お姉さん、コーヒー好きなのー？」


「え、うん。なんで？」


また来た新一くん似のコナンくん。
好奇心旺盛ですね…


「コーヒーを美味しそうに飲んでたから！
紅茶よりもコーヒー派なのー？」


その質問になんとなく確信してしまった。

蘭と園子ちゃんは私が姉じゃないかという疑問は名前が違ったからなくなったっぽいけど
この子は違うんだ。
まだわたしがそうなんじゃないかって思ってる。
だからこそ、私が家を出る前に毎日のように飲んでた紅茶の事を聞いてきたんだ。
それで私が紅茶の方が好きとか言うとまだ疑い続ける。

そして
アナタが工藤新一だってことも。


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