カンパニュラ

田中 龍 ページ28

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「蘭ちゃん、もうこんな時間だしこれから家に帰ってご飯作るんでしょ？
これ、持って帰って。」

タッパーの中に入れたものを渡すと、慌てる蘭。


「そんな…！悪いですよ！」

「毎日作ってるんでしょ？下準備しただけだし、結局は台所に立たないといけないけど…
少しは楽になるでしょ？」


自立するのはいいことだけど、すべて自分でやろうなんて思ってたらストレスもたまる。
家事や勉強や部活…
部活をやってなかった私でも全てやってたらちょっとだけストレスがたまってたし。


「…すいません、ありがとうございます。」

「いいえー。タッパーはいつでもいいから。」

「はい。ありがとうございます。
…じゃあ。」

「うん。バイバイ。」


本当は家まで送っていってあげたいけどこれ以上一緒にいたらダメな気がして…

部屋に戻ってテーブルの上に置いてあった携帯を手に取り見るとジンからメールが来てた。

“田中 龍 を調べろ ”

とただそれだけ。

田中 龍って…
今日亡くなった…

ジンに慌てて電話する。



『…なんだ。』

「ジン？あのメールは何？」

『そのままだ。田中龍を調べろ。
あいつは組織と関わりがある。
が、最近連絡が途絶えた。
何かある前に始末する。』

「ちょ、ちょっと待って。
ただ単に同姓同名かもしれないけど、今日亡くなったわよ？」

『…なに？』

「その場にバーボンもいたわ。疑うならバーボンにも聞いてみてちょうだい。
私は今日亡くなったのがそいつなのかちゃんと調べるから。」


そのまますぐに電話を切り、光さんにメールを打つ。

“今日ポアロで殺されて亡くなった田中 龍。
もしかしたら組織と関係があるかも。”

と送るとすぐに

“了解。”

と返信があった。


これで私が調べ終わる前に公安が家の調査に行っているだろうからもしかしたら何か証拠が掴めるかもしれない。



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